アメリカのブッシュ大統領は29日、スーダンに対する新たな制裁措置を発表しました。また、その制裁に関する決議案の国連安全保障理事会での採択に向け、関係国との協議に着手していることを明らかにしました。これを受け、スーダンのバシール大統領は30日、「アメリカの制裁は、ダルフール地区の和平プロセスに消極的な影響を与えるが、スーダンは、ダルフール地区の和平を目指して努力していく」と表明しました。アメリカがスーダンに対する制裁を強化したのはなぜでしょうか?これらの制裁は、ダルフール問題にどんな影響を与えるでしょうか?
スーダンのバシール大統領は30日、「スーダンは、ダルフール問題に関する国連の計画を実施している。アメリカが制裁を強化したのは、そのイラク政策やパレスチナ問題の対応で犯した罪を隠ぺいするためだ」と述べました。これについて中国国際問題研究所南アジア・中東・アフリカ研究室の王洪一副主任は、「まず、アメリカは自らの外交政策への批判を弱めるため、アフリカ問題で成果を得ようとしている。また、スーダンが国連のアナン前事務総長と結んだ『和平合意』の第2段階、すなわち軍隊の駐留や指揮官の配置、兵器の配置などにおいて譲歩するよう、スーダンに圧力をかけようとしている。そして、ダルフール問題でのアメリカの政策を支援してくれるようヨーロッパ諸国に要請していると見られる」と述べています。
しかし、ヨーロッパ諸国は現在、アメリカの制裁措置を支持する姿勢を示していません。国連のパンギムン事務総長は29日、「アメリカのこの決定は、国連安保理を代表するものではない」とし、また、中国の劉貴今・ダルフール問題特使も、「圧力を加え、制裁を行うのは、ダルフール問題の解決にとって決して有効ではない」と同じ立場を示しました。これについて王洪一副主任は、「ダルフール問題を解決するため、スーダンは現在、『和平合意』の具体的な実施について関係各国と交渉している。しかし、アメリカが、制裁措置を発表したことは、スーダンに対し、強制的な手段で問題を処理する意向を示したことを意味する。これは、スーダン国内の調整や関係各国の協力に有利ではない。そして、この問題における中国の役割にも悪影響を与える」 と賛意を示しました。
その中国の役割について王副主任は、「去年、アフリカの経済成長に対する貢献率は20%に上っている。また、政治の面でも、アフリカ内部の交渉によって問題を解決することを支持してきた。今後も、アフリカの発展を支援していく」と述べています。 (翻訳:鵬)
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