今年は中国とアセアン東南アジア諸国連合が対話関係を樹立して15年になります。ここ15年、双方は徐々に平和と繁栄にむけた戦略的パートナー関係を構築してきました。今年の末、中国の南寧で中国アセアン対話関係樹立15周年の記念サミットが開催されたことは双方の深い関係を示しています。ベトナムで果物の商売をしているベトナム華僑の蔡さんの最大の夢は中国にもっと多くの果物を輸出することです。「アセアンは自ら優位性を有しており、また中国は大きな市場を持っている。もし関税がなくなれば、われわれが中国に進出するハードルが下がり、製品も容易に流通するようになる。自由貿易区の関税がさがったら、私たちには必ず有利である。」と蔡さんは述べました。
中国ーアセアン自由貿易区の枠組み方案に基づき、中国は2006年アセアンの500種類あまりの農産品に対して、ゼロ関税を実施しましたが、これにより、アセアンは中国最大の果物輸入地域となっています。これにより蔡さんのような果物の業者は実際の利益を受けています。中国アセアンが対話関係を樹立して15年、双方の貿易額は15倍に増加し、去年は1300億ドルに達しました。中国とアセアンはまた2010年に自由貿易区を作ることを決めました。
また中国とアセアンは政治、安全、文化など各分野における協力で大きな成果を収めました。温家宝首相はこれを高く評価しています。「中国とアセアンは歴史上もっともよい発展の時期におり、双方は政治の相互信頼が強まり、貿易協力の成果も著しい。また自由貿易区の建設は安定して進んでおり、各分野の交流と協力はたえず拡大している。中国アセアン関係はこの地区の国家間の友好交流と協力のモデルとなっている。」と述べました。
アセアンの各国の指導者は中国との関係発展に深い認識を持っています。10月30日、中国とアセアン十カ国の指導者は南寧に集まり、対話関係樹立15周年記念サミットを行いました。双方の関係について、フィリピンのアロヨ大統領は「現在、中国とアセアンは政治、安全および地域問題を含む全面的戦略パートナー関係を構築している。今後15年、この関係の発展を引き続き推進していきたい」と述べました。
15年間、中国とアセアンは誠意ある協力の意志を表明し、中国も大国の姿勢で臨んでいます。1997年アジアは金融危機に面し、中国は人民元を切り下げせず、アジアの金融市場の安定に大きく貢献しました。
中国とアセアンは関係発展の中で、ダブルウィンの関係を求めています。中国がゆとりのある社会を建設する一方で、アセアンは一体化建設を加速しています。中国とアセアンはともに平和的な周辺環境を必要としています。双方の関係発展はそれぞれの目標の実現に有利です。また、中国とアセアンの国際影響力の拡大に伴い、協力を強化することはその国際的地位と影響力の強化に有利です。シンガポールの李顕龍首相は「われわれは相互尊重、相互信頼、平等互恵の基礎を保つことが大事である。中国がいつも言うとおり、アセアンは国の大小をとわず、一律平等なパートナーである」とのべました。
専門家は「平和共存を堅持して、アセアン主導の多国間協力のシステムを堅持すれば、中国とアセアン関係はこれから新しい局面を切り開くことができる。」と分析しています。
中国国際問題研究所アジア太平洋研究室の沈世順主任は「中国はアセアンが地域協力の中で主導的な役割を果すべきであると主張している。アセアンは十分に積極性を発揮すべきであり、中国はアセアンをリードするつもりがなく、ともに利益を得られればよい。」と述べました。
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