中国とASEAN・東南アジア諸国連合を繋ぐ初めての高速道路がこのほど正式に開通しました。これは双方の交通分野における協力の新しい進展と見られています。中国とASEANは、「今後は交通協力をいっそう推し進め、経済貿易の発展を促していく」と表明しています。

　中国とASEANを繋ぐ初めての高速道路の北端は中国の広西チワン族自治区の南寧市で、南は中国とベトナムの国境にある友誼関までです。全長180キロ、投資総額は37億元以上に達しました。この高速道路の開通によって、南寧から中国とベトナムの国境まで、車で5時間かかっていたのが2時間に短縮されます。

　広西チワン族自治区政府の郭声コンさんは記者のインタビューに答え、「南寧から友誼関までの高速道路が開通してから、毎年中国・ASEAN博覧会に参加するASEAN諸国の出展者や物資が友誼関から中国に出入りし、この道を通って直接南寧に行くことができる」と述べた後、「南寧から友誼関までの高速道路の開通は広西からの国外への運輸体系の確立を進め、広西が中国・ASEAN自由貿易区の窓口としての役割を生かせるようになり、政治的、経済的に重要な意義を持っている」と語りました。

　中国とASEANの交通協力を強化することは新しい時代における双方の経済貿易や人的往来の急速な発展が生んだ必然的な要求です。ここ数年、中国とASEANの貿易と投資は急速に発展し、2002年から2004年まで、双方の貿易額は毎年40％近く伸び、2004年に中国とASEANの貿易額は初めて1000億ドルを突破して、ASEANは中国にとって4番目に大きい貿易パートナーとなっています。

　南寧から友誼関までの高速道路の開通は、中国とASEANを往来している貿易業者に新たなビジネスチャンスを提供します。広西の貿易業者李文玉さんは記者のインタビューに、「この道の開通は、われわれ南寧とASEAN諸国を行き来しているビジネスマンに便宜をもたらした。これは便利な道、豊かさへの道とも言えるだろう」と語っています。

　新しく開通した高速道路の外、中国とASEANは交通分野でさまざまなプロジェクトを実施しています。例えば、雲南省の昆明からタイの首都バンコクまでの道路建設プロジェクトでは、中国政府は3000万ドルの援助金を拠出してラオスでの建設工事に取り組むことや、中国、ラオス、ミャンマ、タイ、カンボジア、ベトナムなどの国を流れるメコン川の航路改善工事に参加することなどです。

　在中国ベトナム大使館のビュイトロン・バン公使は、「ベトナムを含むASEAN諸国は中国と交通分野で更に規模の大きい協力を進めたい」と表明しています。

　「われわれは中国との交通分野での協力を非常に重視している。ベトナムはインフラ設備の発展戦略を計画しており、陸路交通網の建設工事を数多く策定している。今後も周辺諸国、特にメコン川流域にある中国、ラオス、カンボジアとの交通協力を行いたい。中国の企業がベトナムでインフラ建設に参加することを歓迎する。双方には交通分野での協力にまだまだ大きな可能性がある」と語りました。

　中国は一貫してASEANとの交通協力に対し積極的な態度をとっています。温家宝首相は2005年、中国・ASEAN諸国の首脳会議に出席した際、双方の交通協力を強化する提案を出しました。この提案はASEAN諸国の賛成を得ています。

　現在、中国とASEANは自由貿易区の建設を積極的に進めています。この状況の下で交通協力を強化することはきっと双方の経済貿易の発展を促すでしょう。