ナイジェリア南部にある港湾都市・ラゴス。ナイジェリア最大の市場があることで有名です。周囲２キロ四方の敷地内には、数万軒の店舗が集まっており、狭い道路の両側には様々な屋台や店がずらりと並び、とてもにぎやかな光景です。ここでは、服装や織物、金属製品、日用品などが扱われていますが、中国製品も少なくありません。ある中国服装会社でマーケティング・マネージャーを務めるオラワレさんに話を伺いました。

　「中国企業は就職のチャンスを提供してくれました。また輸入業者にとっては、わざわざ海外に行って仕入れする必要もなくなり、ナイジェリア国内でも必要な品が見つかるようになりました。あと中国製品の影響で、物価が全般的に下がり、普通の収入でもいろいろと買い物できるようになりました。」

　これまで中国の業者は、ナイジェリアで、小規模なビジネスを展開していましたが、現在、多くの中国大手企業が、井戸の掘削や道路整備、農業、電力、そして通信プロジェクトなどの分野での投資を拡大し、現地の住民にも、よりよい生活をもたらしています。

　中国土木工程グループ会社ナイジェリア支社は比較的早くナイジェリアに進出した中国系企業です。ここ数年、現地の鉄道、道路整備のプロジェクトを数多く請け負ってきました。現地の道路整備について、周天想総経理は次のように語りました。  

　「道路の整備によって、地元の豊かな資源を外に輸送することができるようになりました。昔は、道路がなく、車も走らないため、貨物は人力で運び出していたのです。しかし、果物やココアなどは途中で腐ってしまいました。我々の企業は、地元住民を大勢、雇用していますが、そのうち、一部の人は高級管理職のポストにもついています。我々は地域の雇用問題も解決しているといえるでしょう。」

　ナイジェリアの通信プロジェクトの多くを担ってきたZTE・中興通信会社は、現地で携帯電話の工場を開設しました。地元での人材育成について、会社のナイジェリア駐在代表・劉樹清さんはこのように語りました。

　「地元の従業員や責任者などを研修のため、中国の深セン市にある中興学院に送りこんでいます。また、我々は地元でもエンジニアの育成を中心とした研修センターを設置しました。このほか、専門技術や職人技の養成を強化するため、毎週、現地従業員向けの研修会も開いています。」

　ナイジェリア市民は中国企業の活動や互いの協力を高く評価しています。市民の一人、ベローさんは「現在、多くの中国企業がナイジェリアに来て、道路整備や携帯電話、家電製品の生産などに携わっている。これら中国企業の進出によって、われわれは見聞を広めることができ、とてもラッキーだ。我々は今後、彼らを見習って、また彼らを支え、共に進みたいと思う」と話してくれました。