欧州委員会は24日、フランスのストラスブールで中国に対する政策文書を発表しました。この文書は、「EU・欧州連合は、中国との戦略的パートナーシップを引き続き発展させていかなければならない」と強調しました。
この『EUと中国:より緊密なパートナー、より多くの責任を担う』という文書は、「2003年にEUと中国が、戦略的パートナーシップを樹立して以来、相互関係は日増しに、全面的かつ実務的に発展してきた。このため、EUの中国に対する政策は、これまでの『接触』と『戦略的パートナー』という戦略を保つべきだ。そして、戦略的パートナーシップがより緊密になるに連れて、双方の責任も大いに増えるだろう」と述べました。
この文書はまた、将来の中国との関係を発展させるEUの一連の政策措置を発表し、中国の政治と経済の改革や持続可能な発展などの戦略に引き続き支持し、そして、科学技術、文化、移民、交流及び国際事務などの面で中国と協力していきたいと示しました。
この中国に対する政策文書と同時に発表されたものには、EUの中国に対する貿易戦略文書があります。ここ数年来、EUと中国の貿易額は絶えず増えています。しかし、EUの中国との貿易の赤字が上昇する影響を受けて、中国の繊維製品と靴の輸出に制限を設けるなど、EU内部の保護貿易主義の勢力が台頭しています。このため、この貿易戦略文書は、将来のEUと中国の貿易関係の発展にとって非常に重要だと言えます。
現在、EU加盟国の内部で、中国製品に制限を設けるべきかどうかについての意見の食い違いも日増しに明らかになっています。一部の加盟国は、中国の経済成長をチャンスだと捉え、中国製品に対し制限を設けることは自由貿易の精神に符合しないだけでなく、客観的に見ても、EUの経済メカニズムの調整と経済の健全的な発展にとって不利であるとしています。一方、経済がグローバル化の影響を受けている国は、中国の輸出を脅威だとみなし、制限措置の実施をEUに呼びかけています。
これについて、欧州委員会のマンデルソン貿易担当委員は、「中国は、EUの対外貿易政策に対する主なチャレンジだ。中国の経済成長はEUに利益を与えているが、EUの企業が中国市場への進出の面では、多くの困難に直面している。これが解決できないと、EU内部の保護貿易主義の勢力はどんどん増えていくだろう。これに対し、中国は、相互的なルートで経済のグローバル化の問題に対処していることを明らかにすべきだ」との考えを示しています。
マンデルソン委員のこの談話は、EUの中国に対する貿易戦略文書の中にも現われています。この文書は、市場を開放し、ヨーロッパ企業が中国公共部門に参入する活動への制限を緩和するよう中国に呼びかけています。
また、この文書は、EUが中国に対する貿易と投資の問題に対処する主な政策を提案しました。欧州委員会は、これらの政策措置をEUと中国が今後調印する予定の「パートナーシップと協力協定」に盛り込むことを希望しています。
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