世界的にも名が知られている小売業の大手・ウォルマートは長年、従業員の労働組合結成に反対しており、中国にあるウォルマートも長い間その設立を拒否していました。しかし、この2ヶ月間で、状況は変わってきました。現在、中国にあるウォルマートの全店で労働組合が発足しています。
12日、中華全国労働組合の徐徳明副議長は北京で、「過去2ヶ月余りの間に、全国30都市にある62社のウォルマートは全て、労働組合を設置し、その構成員の数は6000人を上回りました。ウォルマートで法に基づいて迅速かつ全面的に労働組合設置の目標が実現されたのです」と話しました。
ウォルマートは全世界4300箇所に支店を有しており、その従業員の数は60万人に達しています。ところが、ウォルマートは創設当初、従業員の労働組合への参加に反対しており、全世界の大部分の支店では労働組合を設置していませんでした。中国では、労働者が労働組合を設置する権利があると法律で明記されています。中華全国労働組合連合会は中国国内にあるウォルマートの各支店での設立を促してきましたが、ウォルマートのトップはこの問題に対して、ずっと曖昧な態度を取っていました。しかし、2ヶ月前、中国東南部の福建省の晋江市で30名の従業員がさまざまな妨害を乗り越えてウォルマートの中国国内支店で初めての労働組合を設立しました。その後、ウォルマートは労働組合組織設置の問題で立場が変わりました。
ウオルマートは中国にある五つの支店での組合設置に同意したあと、その他各支店の組合設置を進めています。こうして各支店での組合の結成は比較的順調に進んでおり、この2ヶ月の間に、ウオルマートの全ての中国支店には労働組合ができています。
徐徳明副議長はこれについて、「ウオルマート内にできた労働組合の今後の任務は、中国の"労働組合法"に基づき、ウオルマート側のその責任と義務の履行を監督し、労働組合の活動展開に必要な条件を作り出すことだ。我々は、企業の発展をめぐり、職員の技能訓練を積極的に行い、職員の労働契約の調印を援助していく」と語りました。
専門家の指摘によると、労働者の権益を保護するため、中華全国総工会は、これまで外資系企業での労働組合設置を推し進めてきましたが、それを拒んでいた外資系企業も少なくありません。現在、労働組合設置を受け入れたのは、外資系企業の1/3に過ぎないということです。今回、ウォルマートがこれまでの立場を改めて、各支店に全国総工会による末端労働組合を設置することを認めました。それをきっかけに、さらに多くの外資系企業が社内に労働組合を設置していくとみられます。
中華全国総工会の徐徳明副主席は「ウォルマートが先行して労働組合を設置したことが、よいきっかけとなっている。今後は、長い間、それを拒んでいるコダック社やデル社などの多国籍企業に対する監督に力を入れ、労働組合の設置を促していく」と述べました。(10/13)
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