国連安全保障理事会は21日、レバノンのイスラム教シーア派武装勢力ヒズボラとイスラエルとの紛争を斡旋する国連危機処理チームの3人の提出したレバノンとイスラエル紛争の情勢報告を聴取しました。この報告は、「レバノンとイスラエル紛争の双方が直ちに全面的停戦を実現するには、まだまだ多くの困難に直面している。しかし、国際社会は人道主義援助から着手し、地元住民の苦痛を緩和すべきだ」としています。
国連危機処理チームの3人は21日、アメリカのライス国務長官と会談を行いました。会談の後、ライス国務長官は、23日に中東へ赴き、外交ルートによる紛争解決を求めるとの考えを示しました。国連はこれに対し、国際社会がレバノン・イスラエル危機の解決のために積極的な外交努力を進めていることに歓迎の意を示しました。
国連緊急援助調整官室のエゲランド副室長は、21日レバノンに到着し、人道主義的な危機について現地視察を行うことになりました。エゲランド副室長は出発の前、「レバノンとイスラエル紛争による人道主義的な危機が悪化しつつある。双方が直ちに停戦して初めて、地元住民の安全が確保され、人道主義援助の実施が進められる」と安保理に訴えました。
報道によりますと、国連の強い要求に対して、イスラエル政府は20日夜、レバノンとキプロスの間に「人道主義の通路」を設け、外国の船舶がレバノンに救援物資を輸送することを許可しました。国連の関連機関はすでにレバノンで緊急救援活動を始めており、国連パレスチナ難民救済事業機関がレバノン駐在の3000人の職員を動員して、人道主義援助に取り組んでいます。また、シリアに避難しているレバノンの難民問題を解決するため、国連難民高等弁務官事務所はこのほど、レバノン難民の緊急援助に力を入れ、テント、絨毯、ビニルシートなどの日用品を提供しています。また、国連難民高等弁務官事務所の12人の作業チームは、シリアの首都ダマスカスに入って、レバノン難民の受け入れ活動を進め、近いうちにレバノンに赴く予定です。(07/22)
|