EU・欧州連合は4月7日から中国製の革靴を臨時的反ダンピング課税の実施を始めました。問題発生からの6ヶ月間、EUが中国製の革靴を対象に徴収する反ダンピング税は4.8％から19.4％に上ることになります。この措置の実施は、中国の革靴生産企業、EUの販売商社および消費者にどんな影響を及ぼすのでしょうか。

　今、中国の広州では中国輸出商品交易会が行われています。広州交易会は中国でもっとも大きな輸出商品の展示会です。毎年海外から大勢の販売商社が訪れます。今年、交易会に参加する販売企業や出展した企業は、合わせて45万人に上っており、史上最高レベルだと見込まれています。しかし、EUの反ダンピング措置の影響で、革靴類の状況は楽観視できません。これについて、交易会開幕前の記者会見で中国輸出商品交易会の徐兵報道官は「EUは4月7日から中国の革靴を対象に反ダンピング課税を実施することを決めた。このため、出展する企業の製品の輸出に影響が出るほか、広州交易会の革靴貿易分野にも影響を与える」と率直な考えを示しました。

　このことについて浙江省台州宝利特革靴会社の陳芬社長は「当社の製品は海外のたくさんの国に輸出している。ヨーロッパでは主にオランダ、イタリア、チェコに輸出している。しかし、今の反ダンピング課税は当社に大きな影響を与えた。関税のほかに輸送費用なども増加する」と紹介しました。

　ドイツから参加したラーソンさんは革靴商品を購入するために広州交易会に来た販売会社の人です。ラーソンさんは「EUが反ダンピング課税の措置を決めたことはヨーロッパの企業を保護するためだ。そうすると、輸入業者はヨーロッパの革靴生産企業から製品を購入するが、これらの革靴生産企業は反ダンピング措置でも利益を得られるが、値段は高くなる。ヨーロッパの消費者はこの措置を歓迎するとは限らない」と話しました。

　さらに、スウェーデンで2000近くもの支店を持つICA小売グループのノデンボーグ社長は「反ダンピング措置はEU市場にとって、災難だ。反ダンピング措置によって、ヨーロッパの革靴製造企業は失った市場を取り返せるとは思わない」と語りました。

　一方、浙江省奥康グループの呉春悦社長は「われわれは順序を追って、ヨーロッパ市場で自力販売する。自分で支社と専門店を設置して、販売ネットを設ける」と計画しています。

　それとともに中国政府は企業に良好な輸出の環境を作り出しています。中国商務省の高虎城次官は記者のインタビューに答えた際「中国政府はWTO・世界貿易機関の関連規定に基づいてEUと中国製革靴製品の輸出問題について交渉を行っている。同時に、中国政府としては国内の革靴製造企業が法律手段でEUの反ダンピング措置に対抗することを支持する」と述べました。（04/24　訳：殷絮）