中国とEU・欧州連合は16日、北京で、消費材の安全交渉体制確立に関する覚書に調印しました。これにより、双方の輸出入製品の市場参入について重要な法律的根拠を与えることになります。2002年に確立した工業製品の安全交渉体制に加えて、中国とEUは、すべての輸出入製品の市場参入において、全面的な協力の仕組みを整えたことになります。
中国国家品質監督検査検疫総局国際協力課の戚秀芹課長は、「消費材の安全体制の確立は、急速に成長している双方の貿易において生じる問題を解決するためだ」と指摘しています。
「私たちの一部の製品は、EUを対象に輸出しているが、実は、EUの関係規定をあまり知らない。知らないまま、作った製品をEUの市場に出した結果、販売が禁じられることになる。このような状況を改善するため、双方は、問題解決の共同の仕組みと道筋を求めてきた。」
戚さんによると、ここ数年、中国とEUの間の貿易は、急速に伸びており、2004年、双方の貿易額は1770億ドルを越え、そして、2005年は、2000億ドルを突破する可能性があるとのことです。貿易量からみますと、EUは、中国最大の貿易パートナーであり、中国はEUの二番目に大きい貿易パートナーということになります。
中国とEU間の貿易は、良好な方向に向かって発展しているものの、多くの問題点が存在しています。もっとも目立つのは、中国製品の質や認証、技術基準などに問題があり、EUの市場で販売できないことです。これらの問題を解決するため、双方は、2000年から協議を始めました。2002年、双方は、WTO・世界貿易機関の枠組み内で、技術に関する貿易障壁交渉体制を確立しました。これは、化学製品や機械、電力設備など各工業製品の市場参入問題にあたり、双方の貿易の完全化に積極的な役割を果たしてきました。中国国家品質監督検査検疫総局国際協力課の戚秀芹課長は、「この仕組みが確立されて以降、双方は、更に8つの作業グループを設立した。お互いに、常に連絡を取っているので、問題が生じるたびに、すぐ協議することができる」と語りました。
ところで、16日に調印した覚書で確立する交渉の仕組みは、食品や植物、動物製品、化粧品などに及んでいます。それにより、中国とEUの間では、すべての輸出入製品の市場参入について、全面的な協力、交渉の仕組みが確立されました。中国国家品質監督検査検疫総局の李長江局長は、これを次のように評価しています。
「この覚書で定めた規定の実施により、双方は、食品や動物、植物製品の質の安全や技術基準について交流を行い、製品に関する認証などについて基礎を築いた。」
この仕組みの確立にあたり、以前の貿易障壁に関する交渉体制の経験を生かして、作業グループを設立し、製品の質や基準、疫病情報などを適時に報告し、定期的に会談を行う予定です。それにより、輸出入貿易で生じる消耗品の基準や認証、合格評定、リスク評価など市場参入に関する問題を解決するための効果的な運営方式と作業の規律を実施していきます。
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