先月末、イスラエル総選挙が行われました。イスラエルのカツァブ大統領は2日各党と組閣について交渉しました。関係者は「オルメルト首相代行が率いるカディマは選挙で勝利したが、第2位の労働党の圧力でオルメルト首相代行は、順調に首相になれるかどうかについて懸念されている」と指摘しました。
イスラエルの法律によりますと、選挙が終わった後、大統領は各党と組閣について交渉し、議会の第1党の指導者を首相に任命し、組閣権を与えます。しかし、労働党の代表は2日、カツァブ大統領と会談した際「カツァブ大統領は労働党指導者のペレッツ氏に組閣権を与え、労働党が左翼や右翼政党とともに新しい政府を組閣するよう」求めました。労働党のほかのメンバーはまた「カディマは選挙で29議席を獲得したことは、イスラエル史上議会の第1党が初めて30議席を下回った。労働党が20議席しか獲得していないにもかかわらず、提出した経済改革の主張は国民の利益と一致しているため、ほかの政党よりもっと安定した連合政府を組閣できる」と表明しました。労働党のナンバーツーであるへルツォグ氏は「イスラエル政府の基本法修正案では、大統領は必ずしも議会の第1党の指導者に組閣権を与えるとは限らない」と指摘しました。
今回の総選挙で、一般庶民の生活問題は外交安全問題とほぼ同じ度合いで有権者が関心を寄せる重要な議題となっています。労働党が提案した貧富の差を無くし、最低給料基準を高めることなどの選挙綱領は庶民から広範な支持を得ています。このため、労働党は明らかな外交政策の主張が足りなかった中でも、高い得票率を得ています。オルメルト首相代行は、このほどペレッツ氏を招いて組閣問題について会談しようとしましたが、ペレッツ氏に拒否されました。
労働党のこの要望を受けた後、カディマ代表者は、カツァブ大統領と会談後「オルメルト首相代行は広範な基礎を持つ連合政府を構築すべきだ。カディマが統括する政府こそ安定性と決定能力や実行力を確保できる」と明らかにしました。
現在、労働党はほかの党も組閣の意見を支持するよう求めています。イスラエル議会は、合わせて120議席があります。今回選挙で政党は12となり、獲得した議席も分散しています。カディマにしても労働党にしても3つから4つぐらいの政党と協力すれば、組閣に必要とする過半数の議席を獲得できます。イスラエルの専門家は「イスラエルの独特な政党制度によって、組閣の難しさは選挙と同じぐらいである。1つの政党が選挙で勝利したことは、政権を担う第一歩を踏み出しただけだ」と指摘しました。
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