EU・欧州連合とロシアの指導者は4日、ロンドンで第16回首脳会合を行いました。その後、EU輪番議長国であるイギリスのブレア首相とロシアのプーチン大統領は共同記者会見で、経済と安全分野における双方の協力を強化し、双方関係をより緊密に進めていく意向を示しました。この会合はEUとロシアの関係が重要な段階に入ったことを示し、世界の多極化の発展に拍車を掛けるものだと見られています。
初めてのEU・ロシア首脳会合は1998年5月イギリスのバーミンガムで開かれたもので、冷戦後EUとロシアの関係が緩和され、緊密になりつつある結果として行われました。その後、双方の指導者は半年ごとに会見するシステムが形成されました。これらの交流によって、経済、安全などの分野における相互依頼度が強まっています。チェチェン危機、ロシアの国内政治、そして経済改革などの問題において、双方は大きな食い違いがあるが、全般的に言えば、双方の関係は緊密になりつつあります。今、EUはロシア最大の貿易パートナーとなり、EUとの貿易額はロシアの貿易総額の59%を超えています。
4日の会合で、ブレア首相とプーチン大統領は双方のエネルギー貿易問題をめぐって集中的に討論しました。報道によりますと、EUの50%の天然ガスと1/3の石油はロシアから輸入されたもので、その数字はEU内部で不安を引き起こしています。EUはロシアの天然資源に頼りすぎており、ロシアのエネルギー供給への過度の依存によって、ロシアを批判する権利がなくなるだろうと懸念されました。これに対して、ブレア首相は「欧州諸国は将来の十分なエネルギー供給を確保しなければならないから、ロシアとの協力は必要なもので、双方は互恵関係であり、依存関係ではない」と述べました。プーチン大統領も「ロシアは欧州のパートナーを害することはしない」と承諾しました。
今回会合で討議されたもう一つの問題は双方が長い間食い違いを持つチェチェン問題でした。ロシア側は、「EUは民主と人権を圧力を掛ける道具としている」と指摘している一方、EUの政治家は「相手の現状を考慮し、勝手に非難する行為をやめよう」と、平等な対話を提唱しています。マスコミは「チェチェン問題における双方の食い違いは依然として存在しているが、小異を残して大同につく意向を示したのはありがたいことだ」と見ています。
そのほか、双方はイラン核問題、テロ反対、中東和平プロセスなどの問題をめぐって討議しました。双方関係の改善は世界の多極化にプラスとなるものだと見られています。EUにとっては、アメリカの覇権を抑えるため、ロシアとの協力によって欧州安全システムを構築しなければならない。一方、ロシアにとっては、NATOが拡大した後、アメリカが一方的グローバル戦略を推し進め、旧ソ連地域の政治、安全と経済面への影響力を強める情勢の下で、EUとの協力を通して、安定した経済発展の環境作りができるほか、ロシアの安全にとっての利益及び旧ソ連地域での特殊な利益を保つことが出来ると見られています。
|