半年に亘った行き詰まりを経て、EU・欧州連合の25ヶ国の指導者はブリュッセルで開かれた冬季首脳会議で激しい討議を行った結果、ついに現地時間の17日未明、2007から2013年にかけての中期予算案について合意に達しました。これは、ヨーロッパ一体化プロセスの推進に主な障害を取り除きました。
合意によると、EUの2007ー2013年の予算支出総額は輪番議長国のイギリスが提出した前の方案の基礎の上に130億ユーロぐらい増えて、8623億6300万ユーロに達したとのことです。
イギリスのブレア首相は会議後の記者会見で、中期予算案の合意の達成は各側が極めて複雑な交渉を行い、妥協した結果であり、EUの各加盟国の団結と協力の精神を表したと表明しました。また、ブレア首相は「全ての加盟国を代表して一つの妥協を求めるのは非常に困難なことであるが、我々はヨーロッパの現代化の実現を妨げる主な障害を取り除いた。この結果を見て、うれしい」と述べました。
1984年イギリスが不景気した際、サッチャー元首相の努力を通じ、EUから得た農業補助金が少ない補償として、イギリスは毎年EUの財政から数十億ユーロの分担金の払い戻しを獲得するようになりました。ところが、十数年の発展を経て、今のイギリスは既にEUのもっとも豊かな国の一つになりました。こうした状況の下で、イギリスが引き続き多くの分担金の払い戻しを獲得するのは他の加盟国の不満を買っています。一方、イギリスはこの待遇が公平なものであり、イギリスに対して分担金の払い戻しを放棄し、あるいは減少するよう要求すれば、EUの農業補助金も削減しなければならないと主張しています。これはEU共同農業政策の最大の利益の獲得者であるフランスの強い反対に遭っています。イギリスとフランスの矛盾によって、6月に行われたEU首脳会議でルクセンブルクが提出した中期予算の折衷案が採択されなかったです。
今回の合意には、イギリスが分担金の払い戻しを減少することとEUが共同政策を期限付きに審議することが明記されています。これは、EU中期予算問題でイギリスとフランスがいずれも譲歩したことを表しました。
EUの関係者は「EU中期予算案の合意達成はEUの最後の時に妥協するという法則の現れである。EUの輪番議長国としてイギリスが発展大局を無視した姿勢は既に何回も他の加盟国の批判に遭っている。ブレア政権は不作為の悪名を受ける勇気がなくて、議長国の任期が終わる寸前に譲歩しなければならない。EUにとって、『EU憲法条約』の失敗はヨーロッパ一体化プロセスに大きな打撃を与えた。もし、この中期予算案がうまく解決されなければ必ずEUの発展にも影響する。そこで、予算案の採択は各側の理性的妥協の結果である。合意の達成はこれから数年間、ヨーロッパ一体化プロセスの発展に新たな原動力を提供するだろう」としています。
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