パレスチナのイスラム原理主義組織・ハマスなど11のパレスチナ武装勢力は22日、国会に相当する評議会選挙が期限どおりに行われることを確保するため、自治政府は外圧に耐えるよう呼びかけかけました。
報道によりますと、パレスチナ自治政府のシャース副首相兼情報相は21日、「イスラエルは東エルサレムの有権者を評議会選挙に参加させなければ、パレスチナは今回の選挙を延期することになる」との考えを表明したとのことです。
パレスチナ評議会選挙は来年1月25日に行われる予定ですが、パレスチナの調査研究機関が22日発表した世論調査の結果によりますと、40%の有権者はハマスを支持すると答え、アッバス議長が所属するPLO・パレスチナ解放機構の主流派組織・ファタハの支持率は20%にとどまったということです。
イスラエルとの武力闘争を堅持しているハマスはアメリカとEU・欧州連合にテロ組織と見られています。現在、ハマスの政治面での躍進は西側諸国及びイスラエルに懸念をもたらしました。アメリカ下院とEUはこのほど、「ハマスが評議会選挙に参加すれば、パレスチナへの経済援助が中断されることになる」とそれぞれ圧力をかけました。また、イスラエルの高官は21日「ハマスの評議会選挙への参加が許可されれば、イスラエルは東エルサレムのパレスチナ人の投票活動を阻止する」との姿勢を示しました。
パレスチナにとっては、東エルサレムの25万人のパレスチナ人の選挙権を保証することはエルサレム主権に関わる原則的な問題であります。パレスチナとイスラエルは共にエルサレムに主権を持つと主張することによって、パレスチナとイスラエルは1993年にオスロ合意を締結し、東エルサレムに住むパレスチナ人は郵便投票をすることができると決まりました。また、1996年のパレスチナ選挙と今年1月の自治政府議長選挙はこの方式で行われました。シャース副首相は「東エルサレム有権者が参加できなければ、評議会選挙は行うことができない。こうしなければ、パレスチナはエルサレムがイスラエルの領土であると認めることを意味する」と強調しました。
西側諸国とイスラエルの圧力に直面すると同時に、ファタハ内部の一部の人はハマスの挑戦に対応し、ファタハに息をつく時間を与え、ファタハ内部の隙間を埋めるため、評議会選挙を延期することを主張しています。ここ数日、 パレスチナ評議会選挙に向け、ファタハとその若手有力者、バルグーティ氏らが双方の食い違いを埋めるため交渉を継続し ています。今、この交渉はすでにある程度の成果を収めたと見られています。
|