3日間にわたって、ジュネーブで開かれた鳥インフルエンザ対策国際会議に出席した80余りの国の代表は9日、鳥インフルエンザ対策世界行動計画を採択しました。
この行動計画は、鳥インフルエンザ予防対策についてそのウイルス流行前、大流行の出現と大流行、 世界規模の流行と言う3つの段階に分けられています。そして、人への感染の減少、警戒システムの強化、根源からの抑制、発病・死亡と社会に対する破壊の減少及び、それに対する研究、対策の指導など5つの面からの予防と抑制が主な内容となっています。
計画ではまた、今後6ヶ月間における、世界で、鳥インフルエンザの予防重点は東南アジア諸国におくべきだとしており、特にインドネシア、ベトナムなどの国の家禽養育場で、動物間のウイルス感染が抑制できて、初めて人への感染可能性を根本的に無くすことが出来ると考えています。このため、今後3年間の予防活動の重点はまず各国にウイルス感染の検査網を建設することに重点を置くべきです。そのためには10億ドルの資金が必要となります。
会議の期間中、出席者は多くの共通認識に達しました。鳥インフルエンザ問題は軽く見てはいけないが、恐れすぎてもいけない。また、現在の状況は1968年以来の鳥インフルエンザ大流行に最も近づいた時期で、人間間で感染がないことを除けば、すでに大流行のあらゆる条件が揃った。現在、ウイルスは主に動物の流行であり、人への感染はごく少なく、今、適切な措置を取れば、鳥インフルエンザの予防は可能で、恐れる必要がないと見ています。
出席者はまた、その予防について最も大きな課題は、貧困国への支援と信頼できる緊急対策システムの確立だとしています。現在、経済的に豊かな国ははすでに準備を整えました。しかし、感染の深刻な地域、または大流行の可能性のある国の対策は遅れています。そのうち、アフリカは最も困難な地域です。例えば、抗鳥インフルエンザウイルス薬『タミフル』は現在、WHO・世界保健機関によって認定され、推薦されている唯一の薬です。現在、この薬を十分に備えている国はほとんどが先進国です。
現在の状況から見れば、鳥インフルエンザは主に農村地区で発生しています。この点、発展途上国の農村地区は、伝染病の観測、診断、予防と治療が最も困難なところです。このため、OIE ・世界動物保健機構は世界動物保健基金を設置し、各国に質の高い獣医の監査治療システムの確立を提案しました。
会議では、国連関係機関が研究報告をし、ひとたび鳥インフルエンザが発生すれば大勢の人が死亡するだけではなく、世界経済に8000億ドルの経済損失をもたらし、そのうち、先進諸国の損失は5500億ドルに達する見込みであるとしています。また、これまでの経験から、予防費用は伝染病大流行による損失よりはるかに少なく、豊かな国が結局は貧困国を支援することは自国を救うことになると見ています。
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