年に一度の中央経済工作会議がこのほど北京で閉幕しました。会議は今後一年の中国経済の発展に関する構想を確定しました。中国社会科学院経済研究所の専門家である袁鋼明氏は「来年、中国経済の安定かつ迅速な発展を引き続き求めると共に、経済の協調的な発展を追求し、経済発展や公衆が関心を寄せる問題の解決を重視する」と表明しました。
経済の安定かつ迅速な発展を保つことはここ数年来の中国経済発展の基本目標です。2003年以来、中国経済はすでに新しい成長期に入りました。これについて袁鋼明氏は「2003年から、中国経済の成長速度は上がってきた。3年間連続の平均成長率は9%以上に達した」と紹介しました。
また、袁鋼明氏は「今回の中央経済工作会議が確定した構想によって、来年も中国は引き続き経済の安定かつ迅速的な成長を保つと共に、経済の協調的な発展を重視し、経済発展における様々な問題解決に力を入れる」と述べました。
ここ数年来、中国の経済成長は主に投資と輸出によって引き上げられたのです。しかし、主に経済成長を引き上げる住民消費はあまりその役割を果たしていませんでした。この状況を変えるために、中国は来年、さらに国内ニーズを拡大すると共に、住民ニーズの増加を消費ニーズ拡大につなげることを重点とすることを決めました。袁鋼明氏は「もし消費ニーズが強い勢いを保つことができなければ、経済が成長してもそのバランスを保つことができない。投資と輸出によって維持された成長は効率が低く、循環することがない」と述べました。
来年の経済発展構想によりますと、中国は公衆が共に関心を寄せている問題の解決や、地区間の発展の格差と住民の貧富の差を縮小させることに力を入れます。袁鋼明氏は「これは、中国がより発達した地区が遅れている地区に対する援助と支援を強化すると共に、経済の迅速的な発展を求めている時、中国の住民の収入レベルや、就業、教育、医療など公衆が共に関心を寄せている問題を重要視する」と述べ、袁鋼明氏は「現在、住民収入の向上が経済の安定、持続かつ強い成長の原動力をもたらすことが分かってきた。住民の生活レベルが向上できなければ、経済の成長は効率のないものだ」と語りました。
現在、中国の貧富の差は主に都市部と農村部の住民の差に現れています。予測によりますと、今年都市部と農村部の収入の差は3.3対1で、去年より大きくなる見込みであることから、来年中国が引き続き農村部の経済発展、農民収入増加を重点に置くとのことです。
|