二日間にわたる第一回ユーロ・アジア経済フォーラムが今日（10日）から、中国の西部都市、西安ではじまりました。中国全国人民代表大会常務委員会の呉邦国委員長が開幕式で挨拶し、「中国は、ヨーロッパとアジア各国が中国西部の開発と東北地区の工業振興に積極的に関わることを歓迎しており、互いに活力ある協力関係を深めていきたい」と述べました。

　このフォーラムには、中国、ロシア、タジキスタン、カザフスタンなど10数カ国からの政府や商工業界、学者及び国際組織の代表、およそ800人余りが出席しました。参加者は、インフラの建設やエネルギー、金融、観光などの分野での協力について、深く討議することになっています。

　呉邦国委員長は、挨拶の中で、「一回目のユーロ・アジア経済フォーラムの開催は、各国が相互理解を深め、協力分野を拡大し、その内容を充実させ、共同の繁栄を進めていくことに重要な意義がある」と指摘した上で、また、「ヨーロッパとアジア各国は、地理的には近いし、経済面でも互いに補完性を持っている。経済協力を行う分野が多く、将来性もある。この地域の経済情勢や特徴から見て、今後ある段階までは、エネルギーや観光、交通、環境保護などの分野での協力に重点を置くべきである」との主張を述べました。

　呉邦国委員長は、また、「ヨーロッパとアジア各国が互いに尊重し、平等互恵、互いに開放し合い、二国間と多国間の協力が併存するという原則の下に、各国政府と上海協力機構などの組織が充分に役割を果たし、企業や地方政府の積極性を引き出して、そこに自国の優位性を生かすこと。それにより、着実に協力を進め、各国と各地域の経済の発展を推し進めていくよう希望する」と語りました。

　呉邦国委員長は、更に中国の発展状況を紹介し、「中国の発展は、世界との関わりなくしてありえないし、その一方、中国は各国に対して発展のより機会を提供している。」と述べ、更に、「中国とヨーロッパ、アジア各国は、伝統的な友好の歴史を持っており、経済面では、互いに補完性を持っている。中国政府は、中国企業が各国との貿易や合資企業によって、共同の発展を実現させることを支持している。また、一貫して『隣国と友好関係を保ち、隣国をパートナーにする』との外交政策を堅持し、平和的な発展の道に沿って進んでいく」と強調しました。

　現在、ヨーロッパとアジア各国間の協力は、大いに進んでいます。相互信頼を強め、協力を強化し、その潜在力を現実の力に転換させるために、このはじめてのユーロ・アジア経済フォーラムが開催されたのです。タジキスタンのアキロフ首相は開幕式で、地域経済協力におけるこのフォーラムの役割を高く評価しています。

　「国際協力の発展と強化においで、ユーロ・アジア経済フォーラムは、各国が具体的な措置を取り、安定した発展を遂げるスタートと言えるだろう。フォーラムは、各国間の交流の場を提供した。これによって、互いに持続的な協力関係を作り、発展させていけるし、各地域、各部門の力を充分に発揮させることもできる」と話しました。