インドとパキスタンは、13日ニューデリーで、2日間に渡るイラン・パキスタン・インドの間の天然ガスパイプラインの建設をめぐる交渉を終えました。この交渉で双方は、今後の各種の障壁を排除する基礎を築く枠組み協議に達しました。
今回の交渉は、先月設立されたインド・パキスタン天然ガスパイプライン合同作業チームが行った初めての会議で行われました。双方は、会議でイラン・パキスタン、インドの天然ガスのパイプラインがパキスタン国内を貫通する際の資金、安全状況及び天然ガスの輸送量と費用などの一連の問題について交渉を行いました。このほか、双方はトルクメンニスタン・アフガニスタン・パキスタンの間の天然ガスのパイプラインをインドに延伸することの可能性についても意見を交わしました。
会談後に発表された共同声明によりますと、イラン・パキスタン・インドの天然ガス輸送パイプラインの建設は、インドとパキスタン両国が持久的かつ支払い可能なエネルギーを獲得することに重要な意義があるということです。両国は、パイプラインの建設期間、天然ガスの質及びパイプの規格などの重要な技術面の問題で意見が一致しました。しかし、法律、ビジネス、融資そして建設などの技術的な面においては、意見がまだ一致していないままです。双方は、専門の職員を派遣し、これらの問題を解決するために意見を出し、年内に枠組み協議を達成することに同意しました。このため、インド側は、8月の第2回合同作業チームの会議の前に協議の草案を出す予定です。双方は、2006年このプロジェクトを正式に立ち上げ、2010年順調に竣工するため、インド・パキスタン、インド・イラン、パキスタン・イランの間のこのプロジェクトと関連する両国問題を完全に解決した後、インド・パキスタン・イラン3カ国の協議に入ることに同意しました。
この3ヵ国におよんでいる天然ガスのパイプラインは、全長約2600キロで、建設費用は41億6千万ドルと見積もられています。イランは10年前にこのパイプラインの建設計画を出しました。しかしインドとパキスタン両国の関係が緊迫したため、インドはこのパイプラインを建設することによって、パキスタンから制限を受けることを懸念し、この計画は棚上げされたままでした。2003年以来、両国関係は絶えず改善され、インドは十分考慮した結果、今年2月交渉に入ることに同意しました。
パキスタンは今後数年間で、エネルギー不足の問題に直面します。パイプラインの建設によって、パキスタンは値段の安い天然ガスを獲得できるだけではなく、インドから毎年8億ドルの天然ガスの通過費用も手に入れることができます。また、このことから、インドとの外交に大きな主導権を握ることにもなり、地域の安定にプラスとなります。
今回の交渉の成果は、インドとパキスタンがカシミール問題の解決を前提にしないで、エネルギー協力を全面的に開始することに一歩踏み出したことであり、またそれは、両国関係の正常化を示し、両国の和平プロセスの新しい局面が切り開かれることを表しています。
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