ニューヨークで行なわれていた国連設立60周年特別首脳会議はこれまでになかった最大規模の会議です。総会のほか、安保理首脳会議、開発と資金調達高官会議、円卓会議などが開かれました。これまでの2日間、各国の元首、政府首脳と代表はそれぞれの会議でスピーチを行いました。これら代表のスピーチから、国連改革と世界の開発問題が今回の会議のメイン・テーマとなっていることが伺えます。
国連のアナン事務総長は特別首脳会議の開幕式で、「第59回国連総会が首脳会議に関する『成果文書草案』を可決したことにともない、国連改革が実行段階に入った」と述べた後、「各国の指導者が国連改革を支持し、承諾を行動に移し、平和委員会と人権委員会の設置と発展を促進し、『反テロ条約』に調印し、国連が貧困撲滅面での努力を支持し、戦乱後の国家の再建を支援するよう」呼びかけました。アナン事務総長はまた、「今の世界で、各国が共存しており、一国が直面している脅威と挑戦はその他の国の問題でもある。各種の挑戦に対応するため、人類は国連を必要としている。そのため、国連の積極的で効率よい存在は国際社会にとって重要な意義がある。国連の改革プロセスはこれからも続けなければならない」と指摘しました。
ロシアのプーチン大統領は総会のスピーチで「国連が行なっている改革が歴史の教訓から学ぶ必要があり、その結果は建設的なものであるはずだ。各国が広範な共通の認識を達成すれば、国連は権威性と合法性が高められ、21世紀のチャレンジに対応することができる」と述べました。
中国の胡錦涛国家主席は安保理首脳会議、開発と資金調達高官会議及び総会でスピーチを行いました。安保理首脳会議の中で、胡錦涛国家主席は安保理の集団的権威を維持し、集団的安全メカニズムの重要性を強調し、またこれについて、一つ目は、多国的主義を堅持し、安保理の権威を維持すること。二つ目は、国際的危機に効果的に対応し、安保理の効率を高めること。三つ目は、アフリカ諸国の問題を重視することです。
開発問題は各国の代表に注目されているもう1つの課題です。特別首脳会議の議長、ガボンのボンゴ大統領は開幕式で挨拶し、「平和の維持が開発問題に関わっている。世界の平和と安全を維持するならば、一連の緊急的な開発問題を解決しなければならない」と述べ、また、「今回の会議の成果は一つの声明を出すだけではなく、各国が集団的に世界的チャレンジに対応するためのメカニズムを改めて構築することを承諾しなければならない」と強調しました。
また、15日の円卓会議で、国連の関連機関の代表は、各国の政府が女性の役割を重視し、また観光資源を開発し、経済の発展を促すよう呼びかけました。国連人口基金のオバイド専務理事は、その際、各国の政府は女性と児童の健康を保護するため、公共衛生への資金導入を拡大するよう唱えました。国連世界観光組織のフランガリ事務局長は、その際、発展途上国にとっても観光業を発展させることは持続可能な発展を促す最も効果的な手段の1つだ。各国政府は観光資源の開発を重視し、観光業を発展させることを通して経済の発展を促すよう呼びかけました。
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