韓国のノ・ムヒョン大統領は20日首都ソウルで韓国を訪問した小泉首相と会談しました。双方は、「両国が歴史問題をめぐる共同研究を引き続き促進していく」と表明しました。しかし、歴史問題が両国関係に与えたダメージはまだ解決されていないままです。
両国の首脳が会談で達成した二つの共通認識について、韓国側の評価はあまり積極的ではありません。歴史問題について、双方は教科書委員会という第2段階の歴史を共同で研究する委員会を設立することでは意見が一致しました。靖国神社問題において、小泉首相は、「日本側は靖国神社に代わる新しい施設を造ることを考える」と表明しました。以上の二つの成果について、ノ・ムヒョン大統領は、「双方が達成した共通認識はあまりにも低いレベルのもの」だと率直に認め、さらにメディアに「今度達成した歴史問題に関連する共通認識は、双方の事前の交渉によるものだ」と説明しました。
会談後の記者会見で、ノ・ムヒョン大統領は「日本が歴史を歪曲した行為と日本の高官の過激的な言論の元は、日本の一方的な歴史観にある。日本は誠意ある態度でこれらの問題を解決すべきだ。歴史をはっきり認識した上で、歴史に対する共通認識を達成し、さらに外交と政治面で確実な保障措置とシステムを講じて、交流と協力を拡大することこそ、将来の平和と安全を確保できる」と指摘しました。
しかし、靖国神社の問題について、小泉首相は、「日本国内の世論などの要素を全面的に考えてから、靖国神社に代わる新しい施設を造ることを決める」と強調しました。このほどの一連の靖国神社に関する発言と比べ、今度小泉首相の表明は、態度が緩和されましたが、2001年の両国首脳の会談で出した意見より、進展が少しもありません。小泉首相は会談で、韓国が関心を持つ戦争の賠償、慰安婦、歴史教科書などの問題について触れていません。このため、韓国のメディアは、「今回の会談は、実質的な成果のない会談となった」と見ています。
関係責任者は、「小泉首相が歴史問題についての発言は、現在国内外からの正義ある世論の圧力での矛盾する心理を表した。また小泉首相が歴史問題について誠意のある表明をせず、問題を避ける態度の本質も表した」と見ています。小泉政権の多くの高官は、「韓国政府が歴史問題において日増しに強くなっている態度は、国民の支持を増やしたいやり方によるものだ。このことから、日本側は両国関係を重視しているにもかかわらず、政治面の影響力が強い国を目指している日本は、簡単に韓国に屈服しない」と見ています。
韓国のメディアは、「未来に向かう韓国と日本の全面的な協力パートナーシップを発展させることは、両国の根本的な利益と一致している。しかし、この関係は相互理解と相互尊重の基礎がないと実現できない。日本政府によって、現在最も重要なのは、韓国の民衆に対して日本側が歴史問題を解決する誠意を見せることである。それこそ両国の全面的で真の協力パートナーシップを築くことができ、また、同じように侵略を受けた経験のあるアジアの隣国からの信頼を得られる」と指摘しました。
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