「2005ノーベル賞受賞者北京フォーラム」が30日、北京・人民大会堂で開かれ、ノーベル経済学賞受賞者7人と世界的に著名な経済学者5人が出席した。1999年にノーベル経済学賞を受賞した米コロンビア大学のロバート・マンデル教授は同フォーラムで、人民元切り上げについて「人民元が直面している切り上げ圧力は事実上、中国の国際競争力が高まったことへの外的表現だ。しかし、人民元の現行レートはこのままが良く、変える必要はない」と述べるとともに「人民元切り上げは米国の貿易赤字を解消しないだけでなく、さらに12の悪い結果を招くだろう」と警告した。
マンデル教授は次のように語った。
ドル経済圏は世界経済全体の約30%を占めている。ドルが安定して初めて人民元が安定する。すなわち、インフレを背景とした為替レートではなく、ドルに裏付けされた固定相場制こそが人民元の安定を実現するのだ。過去数十年間、ドルはほぼ安定を保ってきた。このため、中国が固定相場制を保つのは「良い提案」なのだ。ユーロはインフレ監視目標の変動相場制を取っている。もし中国に応用したなら、壊滅的結果を招く恐れがある。なぜなら、中国には欧州のような安定した価格水準がないからだ。
人民元の再評価の主張についてだが、今まだこの分野には非常に堅実なモデルがなく、中国の通貨価値の再評価が世界の貿易バランスに与える積極的影響を示すものもまだない。加えて、国際通貨基金(IMF)と米財務省のレポートはいずれも予測的なものであり、経済モデルを科学的に分析したものではない。
米議会、米財務省、IMFは繰り返し人民元切り上げや人民元の変動相場移行を求めている。一度そうしたなら、12の不利な要素を招く恐れがある。人民元を切り上げたなら(1)外国からの直接投資が大幅に減少する(2)人民元の完全な自由交換が遅れる(3)中国の経済成長率が大幅に下降する(4)中国の銀行の不良債権率が大幅に上昇する(5)失業率が上昇する(6)中国の農村部でのデフレが悪化する(7)対中投資家の利益が減る(8)東南アジアで経済変動が起きる(9)人民元の通貨政策の効果が弱まるか失われる(10)世界貿易機関(WTO)加盟時の承諾が実行できなくなる(11)隣国の債務が増加する(12)人民元に対する投機行為を刺激する??。
もし中国が人民元を切り上げたなら(プラザ合意後の)日本と同様、通貨の急な切り上げによる被害者になるばかりでなく、東南アジアや世界全体の経済も最終的には被害を受けるだろう。(編集ZX)
「人民網日本語版」
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