このほど、中国台湾省先住民からなる祖霊の返還を求めた代表団は、日本の靖国神社に赴き、抗議活動を行い、自分たちの祖霊を返すよう求めました。しかし、この代表団の行動は日本の右翼勢力と警察当局の妨害により靖国神社に入ることができませんでした。中国外務省のスポークスマンはこれについて、「台湾先住民代表団の上述の要請は条理にかなったもので、それを尊重すべきだ」と指摘し、日本側がこの歴史が残した問題を正視し、適切に処理すべきだと表明しました。
台湾先住民のこの代表団は60名の台湾の各先住民部族からの代表からなり、今回はこの3年来、7回目の訪日抗議活動で、祖霊の靖国神社での合祀を取りやめるよう日本側に求めました。
当放送局の孫建和東京特派員は現場の情況を、「台湾省先住民の代表団はもともと、14日午前9時に靖国神社に到着する予定だった。しかし、右翼勢力が事前に靖国神社周辺で妨害し、東京の警察当局はトラブル発生の防止と安全確保を理由に、大量の警察官を派遣し、代表団の車両が靖国神社行きや、代表団がバスから降りることを阻止したことから。代表団は抗議活動の実施を断念した。」と紹介しました。
代表団の責任者高金素梅女史はその後の記者会見で、各国メディアに日本の関連方面への強い不満を表し、「いかなる妨害活動も、祖霊の返還を求める私たちの決意を揺さぶることはできない。日本政府はこれまで、台湾先住民の被害者を靖国神社での合祀を取りやめなかった理由は、日本が侵略と殖民地支配という歴史を認めたのではなく、軍国主義の夢をまだ見ていることの現れだ」と指摘しています。
高金素梅(チワス・アリ)女史はまた、「私たちの尊厳を踏みにじることは許されない。歴史は歪曲されてはならない。私たちの先祖の霊が靖国神社に祭られることを許さない。小泉首相に靖国神社参拝を取りやめるよう改めて求め、口だけでの謝罪ではなく、実際行動による謝罪を求めていく」と述べました。
ところで、1941年の太平洋戦争勃発以来、日本は2万人余りの台湾先住民を強制連行し、高砂義勇隊成るものを結成させ、その侵略のために東南アジアの戦場に送り込み、その結果、わずか3分の1の人が生きて帰りましたが、一部の戦死者は1000名余りのA級、B級、C級の戦犯を始めとする軍国主義者と靖国神社に合祀されているのです。
高金素梅女史は、「昼と夜は共存できない」ことと同じように、侵略戦争の加害者と被害者は合祀できないとして祖霊の返還を求めていました。
以上のことを受け、中国外務省は直ちに態度を表明し、日本駐在中国大使館の黄星原スポークスマンは当日午後の記者会見で、日本の警察が理由もなく台湾先住民代表団の行動を阻止したことに対する不満と遺憾の意を表明しました。
中国外務省の劉建超スポークスマンも当日の記者会見で、「台湾同胞の要求は道理にかなったもので、尊重されるべきだ。こうした歴史の残した問題を適切に処理することを日本側に望む」としています。
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