<日本語題> テンゴー
<英語題> The Forest Ranger
【キャスト】
富大龍(フー・ダーロン)
生年月日:1976年2月
身長:175cm
体重:65kg
出身地:北京
出身校:北京電影学院
第1線の俳優とはいえませんが、実は、8歳のころから映画に出演していた息の長い本格派の男優。いま30歳ですから、芸歴はもう20年以上ということです。1991年、馮小寧監督の作品で、抗日戦争を行きぬく子供たちの様子を描いた『戦争子午線』という映画で主演を務めています。その後、2001年の『紫日(紫の太陽)』をはじめ、いくつかの映画に出演しています。残念ながら、それ以降はあまり目立った作品はありませんでしたが、今年の『天狗(テンゴー)』で一躍注目を集めました。武術や京劇も得意だという、才能のある役者さんなので、彼の優れた演技にぜひ注目してほしいです。
【主な出演作品】
『中彩(仮題:籤に当たる)』(1985)
『少年彭?懐(仮題:彭?懐将軍の少年時代)』(1985)
『小騎兵歴険記(仮題:小さな騎士の冒険)』(1988)
『戦争子午線(仮題:戦争子午線)』(1990)
『夏日歴険(仮題:夏の冒険)』(1991)
『故原秋色(仮題:ふるさとの秋)』(1996)
『紫日(仮題:紫の太陽)』(2000)
『監獄大輯移(仮題:刑務所大移動)』(2004)
朱媛媛(ジュ・ユアンユアン)
もともとテレビドラマの女優ですが、この作品でも好演技を見せています。
【スタッフ】
監督:戚健(チー・ジェン)
【ストーリー】
舞台は山間のとある村。主人公は、富大龍演じる元軍人。退役した後、森林保安員になった李天狗という男です。彼は家族を連れて村に赴任してきます。天狗一家は、村民たちから熱い歓迎を受け、たくさんの贈り物を貰いました。しかし、その歓迎の裏には、ある事情がありました。
天狗は森林保安員ということで、彼の仕事は森林を守ることです。しかし、その森は、村民たちの不法伐採によりめちゃくちゃになっていました。天狗が村に来た時村民達が贈り物をしたのも、天狗を取り込もうとするための賄賂だったわけです。それに気づいた天狗は、贈り物をつき返し、森林をこれ以上伐採してはいけないと村民達に呼びかけます。
いままで不法伐採で村民達は大きな利益を得ていました。それを止めろと言われても、困ります。そこで、天狗に対する村民達の嫌がらせが始まります。
まず、天狗は井戸を使わせてもらえなくなります。さらに、売店でも水を売ってもらえなくなりました。映画の舞台となる中国の西部地方は水不足が深刻で、水は命と同じくらい大事なものです。それを断たれるわけですから、死活問題なのです。それでも、天狗は頑固に森林を守ろうとします。それに対し、村民達からの嫌がらせはどんどんエスカレートします。天狗は森林を守りきれるのか。森林保安員の奮闘ぶりにぜひ注目していただきたいです。
【レビュー】
なかなかの社会派作品。
中国西部にある黄土高原の山間が舞台の作品で、農村の人々の生き様や人間関係を描いています。また、貧富の格差問題や、農村の環境問題などを浮き彫りにした作品でもあります。ちょっと重い話かもしれませんが、見終わった後、中国の農村の現実について、いろいろと考えさせられる気がしました。とても、現実性のある作品だと思います。
(編集:コオリ・ミン)
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