このほど、中国の高校生訪日団に同行して9日間の日本の旅をしました。東京、京都と大阪をはじめ、鳥取や島根、岡山などの高校を訪問しました。中日両国の高校生たちは一緒に授業を受けたり、クラブ活動をしたり、ホームステイをしたりしました。今回の取材で、中国と日本が仲良くしていくためには、特に未来を担う若い人たちが交流することが大事だと感じました。中国と日本は隣国ですけど、相手の国について分からないことが多いと痛感しています。これから、色んな面で改善していく必要があると思います。
それでは、今週の話題に入りましょう。今週のキーワードは「殺到」です。
まず、北京オリンピックの入場券予約ウェブサイトに大量のアクセスが「殺到」し、瞬間のアクセス数が800万件もあって、予約システムがパンクしてしまいました。北京オリンピックの入場券は、まず、電話やインターネットで予約をして、その上で抽選をします。そして、抽選で当たった人が入場券を買えます。
一回目の入場券予約受付は4月から6月まででしたが、今回の予約受付は二回目でした。10月30日に始まりましたが、予想以上のアクセスのため、システムがパンクしてしまい、サービスを中断せざるを得ませんでした。そのため、二回目の入場券の予約受付は12月10日に再開することになりました。
オリンピックの入場券の話題はここまでにして、次は、2008年国家公務員採用試験です。公務員採用試験の申し込み受付ウェブサイトに、たった11日間の申し込み期間中、64万人以上の申し込みが殺到しました。人気が最も高いポストは農業省総合署の職員で、1人の求人に対してなんと3592人の応募者がいました。
関係者によりますと、応募者が申し込む際にまず考えるのは、福利厚生と待遇、昇進の機会などだということです。農業省のこのポストが人気だった原因も、専門の制限が少なくて、求人の条件がそんなに厳しくなかったからです。しかし、経済発展が進んでいない内陸部の公務員ポストはあまり人気がありませんでした。
今の中国は、本当に就職難です。2、3年前だったら、気に入った就職先がなかなか見つからないため、とりあえず大学院に入って、改めて就職のチャンスを待とうという若者が多かったです。今は、大学院に入ってもどうせ気に入った仕事が見つからないので、やはり公務員になったほうが安心だと考えている若者が大勢います。
日本では、世の中が不景気になると、公務員を志望する若者が増えると言われています。中国では、順調な経済成長が続いているにもかかわらず、就職難で若者が公務員を志望するというところに、中国の就職事情の複雑さが現れている気がします。私個人から見れば、みんなが公務員になりたがったら、社会全体の前向きの動きが少なくなり、社会の進歩を推し進める動力が弱くなってしまうような気もします。(文:姜平)
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