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帰国留学生起業物語
   2007-10-23 16:06:11    cri

 中国では海外で勉強や経験を積んで中国に戻る人のことを海から帰る「海帰」人材といいます。日本に留学した呉小松さんは、1999年に帰国して、現在は州留学生起業パークにある会社の社長です。

 呉さんは福建省泉州市に生まれ、福建大学卒業後、教員になり、自らの希望で、福建省の貧しい田舎で教鞭を取るようになりました。自分から進んで行ったわけですが、行ってみるとその貧しさは想像を絶するものでした。子供は貧しくて、学校に行けないばかりでなく、食べるものも充分ではありませんでした。さらに、困ったのは、子供たちが知識を身につけて、将来の可能性を広げようとしないことでした。呉さんは、人間は可能性に挑戦できることを身を持って示そうと、留学を考えるようになりました。

 1990年代初め、呉さんは上海で東京への飛行機に乗りました。「日本に行く前に、行ったことのある人に聞いてみた。何を一番持っていかなければならないのか。そこで、日本では米が一番高いと教えられ、インスタントラーメンをたくさん持って行った。また、日本の洋服も高いと聞いて、服もたくさん持って行った。びっくりするほど大きな荷物は食べ物と服ばかりだった」と呉さんは語りました。

 呉さんが入った東京農工大学大学院は、奨学制度で学費が免除されるとは言っても、家賃や食事代、交通費など生活費が必要です。90年代の初めごろ、当時呉さんが中国で得ていた給料は67元しかなく、日本では十個のパンしか買えないものでした。やむを得ず、呉さんはアルバイトをするようになりました。アルバイト生活を振り返って、呉さんは「日本に行ったばかりの時、日本語は一言もしゃべれなかった。最初のアルバイトはレストランの皿洗いだった。夜の十時から朝の三時までアルバイトして、毎日四時間しか眠れなかった。一年後には、健康上の理由で続けられなくなった」と話しました。

 東京農工大学卒業後、呉さんは日本のある水処理の会社に就職しました。この会社での収入は呉さんにとって魅力的なものでした。ところで、呉さんは日本に行く前に、卒業後、日本で五年間仕事をして、帰国することを決めていました。なぜ五年かといいますと、「ノーハウを身に着けるのと、お金を貯めるためだった。その五年間は本当によく残業していた」と呉さんは言いました。

 ずっと帰国のチャンスを待っていた呉さんは1999年に奥さんと一緒に帰国しました。奥さんの金燕さんは帰国について、次のように言っています。「そのとき、迷わずに帰国することを選んだ。中国にはより多くのチャンスがあると思った。また、日本は自分の家じゃないし、自分の家はやっぱり中国にありるから」。

 呉さん夫婦は帰国してから、蘇州にある留学生起業パークで会社を作りました。会社名は「愛環呉世」で、環境を愛するという意味です。蘇州で起業することについて、呉さんは「98年当時、都合のいい政策が行われていった。つまり、留学生が帰国して起業するための拠点が作られた。上海にも蘇州にもある。帰国した留学生には、起業のための一連の手続きも代わりにやってくれた」と地域への感謝の気持ちを表しました。

 当時、蘇州留学生起業パークでは次のような規定がありました。ここで事業を立ち上げるには、外資系企業なら30万ドル以上の投資が必要ですが、帰国留学生だと6万5000ドルで会社が作れます。また、プロジェクトによっては、数百万人民元の支援金ももらえます。呉さんのプロジェクトは1万6千元の支援しか得られませんでしたが、呉さんは満足しました。「初めの一年は家賃が全部免除された。ビザや衣食住の問題などがあると、すぐに解決してくれた。この留学生企業パークは、特に、帰国留学生の起業を色々と助けてくれた」と蘇州留学生起業パークのサービスを認めています。

 呉さんの会社は環境を愛するという意味で、「愛環呉世」と名づけられ、主な業務は水処理と水循環施設です。十年前まで、水処理はあまり中国人には重視されていませんでしたが、最近、中国人の環境意識が向上したことによって、大きな産業になりつつあります。今、呉さんの会社の顧客リストには、ソニー、シーメンス、フィリップス、松下、日立など国際的な企業が並んでいます。呉小松さん自身も蘇州市政府から高い評価を受けています。

 (翻訳:東)

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