中国経済の急速な発展に伴い、電子製品も幅広く使用されるようになりました。同時に、これらの廃棄物の汚染問題は、環境保護面で大きな関心を集めています。携帯電話は人々が日常に使う電子製品で、適切な回収措置がなければ、環境汚染源となるでしょう。
中国情報産業省によりますと、現在、中国では、携帯電話の利用者数は4億8000万人に達し、世界でユーザー数が一番多い国です。そして、携帯電話の買い替えが多く、廃棄された携帯電話とその付属品もほとんど普通の生活ゴミと一緒に処理されています。しかし、廃棄された携帯電話と電池には、金や水銀、亜鉛、カドミ ウムなど重金属があり、土地に埋めれば、土壌や地下水汚染につながります。また、焼却しても、空気を汚染し、人を中毒させたり、健康を損なったりします。
このため、廃棄された携帯電話や電池、充電器の回収問題を解決し、生産、販売使用を一体化した廃棄物の回収、処理をするメカニズムを構築することは当面の差し迫った任務となっています。中国最大の移動通信企業である中国移動通信グループはモトローラ社やノキア社など主な携帯電話の生産企業と共同で「グリーン箱環境保護計画」を立てました。これについて、中国移動通信グループの沙躍家副総裁は「廃棄された携帯電話の回収、管理は環境に優しい社会の建設に必要なもので、節約型の社会の建設にも要求される。我々は回収を強化し、生産メーカーや販売会社が『グリーン箱環境保護計画』に積極的に参加し、環境保護に力を尽くすことを歓迎する」と述べました。
このグリーン箱計画はすでに中国の40の重点都市で展開され、中国移動通信グループの約1000ヵ所の営業ホールや、モトローラやノキア社の300ヵ所の販売センター、修理サービスセンターにグリーン箱が設置されました。
グリーン箱環境保護計画によって、回収のルートが解決されました。グリーン箱を通じて回収したものはそれぞれメモされ、集中的に専門企業に委託して、無害化処理をしますが、その中の一部のものを再利用しています。この計画は多くの生産企業の積極性を動員し、人々の環境保護意識を向上させました。
これについて沙躍家副総裁は「この計画を実施する前、具体的な準備を行った。われわれは関連企業とよく話し合った上、多くの資源を投入した」と語りました。
電池の回収では、大きな経済効果があります。例えば、1個の携帯電話の電池は6グラムのコバルトが含まれています。現在、中国では、毎年廃棄される携帯電話は1億個を超えました。こうして計算すれば、コバルトだけの回収量は600トンもあります。これは都市の金鉱とも呼ばれています。
このほか、中国国家環境保護総局、情報産業省などの部門も、電子製品の回収に関する立法を行なっており、生産者が今後、法に基づいて電子廃棄物の回収の義務を担うことを明確にしようとしています。(翻訳:董燕華)
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