宋慶齢女史は「民主、民権、民生」の「三民主義」で知られる孫文の夫人で、毛沢東の友人でもあり、新中国の建設に大きな仕事をした女性です。この宋慶齢基金会は1982年に、宋慶齢女史を記念するため設けられたものです。宋慶齢女史は新中国が成立した後、名誉国家主席を務め、1981年に亡くなりました。

　宋慶齢女史は三人の姉妹の次女で、孫文の秘書を務めたこともあるそうです。宋慶齢女史は生前、子供の成長に関心を寄せ、若者を育てることは未来を作り上げる事業だと称えていました。宋慶齢女史が死去した翌年の1982年、当時政治協商会議の議長を務めていた鄧小平氏の提唱によって、「宋慶齢名誉国家主席を記念する児童科学公園基金会」が設立されました。その後「宋慶齢名誉国家主席基金会」と名前が変わりました。その略称が、つまり「宋慶齢基金会」です。

　基金会の李寧秘書長の紹介によりますと、基金会は、設立されてから25年間、ずっと宋慶齢女史の遺志に従い、青少年の国際交流や学資援助、科学知識普及などの活動を行ってきました。

　「子供たちの素質向上と人格教育などをめぐる一連の活動を展開している。たとえば、少年児童発明賞、児童文学賞などである。また、都市部の子供たちを対象とした夏のキャンプを行うほか、経済が立ち遅れている農村部の子供たちを対象にした貧困扶助活動を展開し、生活が貧しい子供たちの通学問題を解決したり、学校のインフラ施設などを改善したりしている、ここ数年、また家庭が貧しい大学生を対象とした学資援助プロジェクトを行っていたり、婦人や子供を対象とした医療衛生の関連活動を展開している」

　中国では、幾千幾万の青少年たちが宋慶齢基金会による公益活動の恩恵を受けています。

　12歳の陳熙さんは中国南部の湖南省の省都・長沙市の小学生で、日常生活の中で周りの物事に気を使い、自分の手で何かを作ることが好きです。このほど彼女は、羅針盤の機能を持つ腕時計を作り、宋慶齢少年児童発明賞の銅賞に入賞しました。今回の受賞を通じて、陳熙さんは自信が深まり、また何かを作ろうと決意しました。近いうちに、分子の振動によって電流が発生する原理に基づいて、騒音で電気を発生する発電機を作ることにしました。彼女は次のように話してくれました。

　「何かを作る時は、かならず自分でやる。一つのものを作るには、各分野の知識が必要で、一生懸命勉強しなければならない。物を作ることを通じて、知識を学ぶと同時に、自分の手で物事をやり遂げる能力が身についた」