青海省の格爾木(ゴルムド)と西蔵(チベット)自治区の拉薩(ラサ)を結ぶ「青蔵鉄道」が運行してから、まもなく1年間になります。どんな列車が西蔵に乗り入れるのか? 2001年の着工以来、人々はずっとこの話題に関心を寄せ続けています。
▽安全面の信頼性を強化??酸素供給を確保する2つのシステム
「世界の屋根」といわれる青蔵高原は、標高が高いため、気温が低く、空気が薄い。しかし列車内では、酸素の濃度、温度、気圧がバランスよく維持されます。1両ごとに、航空機と同じような2つの酸素供給システムが備えられています。1つは、「拡散式」。これは、混合空気調整システムにより、空気に酸素を供給し、車内の酸素量を適切な状態に維持するもので、「酸素バー」のような環境を作り出します。もう1つは、独立したマスク式酸素吸入システムで、酸素不足の乗客が適宜、利用できるようになっています。酸素量の制御装置や酸素ボンベ、及び汚水貯蔵器が、各車両の底にある密閉容器の中にそれぞれ収納されています。
列車は、青蔵高原の強い風、砂塵に加え、強い紫外線から乗客を守る役割を担います。車両の窓の二重ガラスの内側には、紫外線をカットするシートが貼られています。高原を走る列車の揺れ対策として、各車両にはエア式の防振装置を搭載。万一の緊急避難に備え、各車両に非常口も設けられています。このほか、高原特有の地を這うような低い雷への対策として、絶縁・避雷装置も用意されています。
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