中国では国家の発展計画に基づいて、北部の沿海地域にある天津濱海開発区が、レベルの高い近代的な製造業と研究成果の普及基地の建設を進めています。これは中国のハイテク産業の国際的な競争力の急速な向上にプラスとなります。この目標に向って、天津開発区は地元のハイテク産業の発展の推進に力を入れています。
ナノ技術は当面の世界におけるハイテクプロジェクトの一つです。中国は世界で、最も早くナノ技術を開発した国の一つですが、現在、なおも企業の配置が分散し、規模が小さく、市場が規範化されていないなどの問題があります。ナノ技術の産業化を速めるため、濱海新区に国家ナノ技術プロジェクト研究院が設立されました。研究院の活動を支援するため、財政省は3800万元を振り向けました。この資金を利用して、研究院は、電子情報や、バイオ、医薬及びマイクロ機械などの分野のナノ技術を開発、普及する基盤をつくりました。国家ナノ技術産業化基地の孟策副主任は、「研究院は基礎研究や応用研究を進め、成果を普及させるため共同で努力していく。今後、国家ナノ技術開発センターは基礎研究を行い、工程技術研究院は開発と応用を行い、国家ナノ技術産業化基地は技術の産業化と孵化を行なうという国家科学技術革新システムを形成していくべきだ」と述べました。
ナノ技術の応用範囲には情報やバイオ、医薬、化学工業、宇宙航空、国防、エネルギーなどの分野が含まれています。それは最前線の科学だけではなく、現実的な技術でもあり、極めて大きな市場の潜在力があり、関連産業の構造改善を促し、国家の競争力に直接な影響を与えることが出来ます。
中国はナノ技術の基本開発で国際的な影響力を持ち、レベルの高い研究チームを擁し、一部の技術はアメリカや日本、ドイツなどの先進国より進んでいます。しかし、ナノ技術製品の産業化が立ち遅れ、アジアで第5位となっています。このため、研究院の最も重要な任務は製品の産業化です。これについて、孟策副主任は、「今後、ナノ技術産業の規範化と伝統的な産業の改造のため、ナノ技術とその製品の基準を制定する。同時に、研究者と技術者を養成し、内外との交流と協力を強化して行く」と述べました。
政府の資金援助を受けた国家ナノ技術工程研究院のほか、天津清源電気自動車有限公司や、天津科潤農業科学技術株式有限公司など12社の企業の数十件のハイテクプロジェクトも濱海開発区から援助資金を受けました。それらのプロジェクトには、電子情報やバイオ医薬、農業、化学工業などの分野に及んでおり、資金額は914万元に達しました。
現在、濱海開発区は重点科学技術プロジェクトに提供している優遇措置には開発区に立地し、国家の重点科学技術開発プロジェクトを行なっている企業が含まれています。
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