
ここ数年間、中国では、新生児の性別の均衡を保つことが出来なくなり、重大な社会問題となっています。統計によりますと、去年、新生児の男女の比率は118対100でした。こうした勢いを抑制するため、中国では、「女の子に関心を寄せるよう」という系統的な社会プロジェクトを実施し、経済や法律、文化などの面で女性の社会的地位を向上し、女児の出生率を向上させようとしています。
ここは貴州省開陽県高寨村の特別な教室です。教室で勉強しているのは全部女の子です。これら女の子は家庭が貧しいため、学校を途中で止め、その後、政府の援助の下で学校へ戻った子どもたちです。
今年14歳の藍小燕ちゃんはその中の一人で、両親は農業に取り組んでいます。しかし、お父さんは病気で働くことが出来ず、家庭生活は困難のため、藍ちゃんは4年前、小学4年生の時、やむを得ず学校を辞めました。お父さんの藍鵬さんは当時の状況を振りかえながら 、「学校を辞めたのは、学費を支払うことが出来なくなったからです。収入がなく、本当に辛くて、子どもにも悪いことをしました」と話しています。
貴州省では、藍ちゃんと同じ境遇の女の子は、男の子より多いのです。これは、地元の男女不平等の社会現状を表し、男尊女卑の考えが、性別のアンバランスを招いたのです。

このため、貴州省の「女の子に関心を寄せるよう」という行動は男女平等の促進と性別の比率のアンバランスを抑制するのが目的です。2003年、貴州省は途中で学校を止めた女の子を援助し、学校に戻らせる活動を実施しました。こうして、政府の援助の下で、藍ちゃんの住む高寨村で学校に戻った女の子の専門クラスを設けました。藍ちゃんも再び学校に戻ることが出来ました。これについて、藍ちゃんは、「先生たちが私を学校に戻らせた時、嬉しくてたまりませんでした。また、学校へ戻り、勉強が出来るようになりました」と話しています。
2003年、貴州省は240万元を投入して、学習の機会を失った女の子を再び学校に戻らせました。このほか、女性の就業を援助することに力を入れ、男女平等を促進しています。
貴州省は中国の西南部に位置し、農業人口が半分以上を占め、経済が立ち遅れています。農作業における女性の体力の劣勢が女児の出生率が低下した重要な原因となります。貴州省は女の子を生育した家庭に対し、現金補助を行い、農家が女の子を育ることを奨励しています。全国の統一規定に基づいて、一人子や二人の女の子しかいない農家に対し、60歳以降、政府によって、毎年一人あたり、600元の補助金を与え、女の一人で、二人目を生みたくない農家には一次的に4000元の奨励金を与えます。統計によりますと、貴州省は2004年から現在まで、この面で、4000万元以上を投入しました。
|