昨年2005年は、中国映画が誕生して100年目にあたる記念すべき年でした。100周年にちなんだイベントが各地で行われたり、映画資料館がオープンしたり、盛り上がっていました。実は、100年前最初に作られた中国映画は、北京で撮影されたということです。
骨董品や伝統工芸品を扱うお店が建ち並ぶ瑠璃場という場所があります。そこにあった「豊泰」という写真館で、中国初の映画が作られました。任慶泰というカメラマンが、フランス製のビデオカメラを使って撮影したそうです。
タイトルは「定軍山」という作品です。この「定軍山」とは、中国の伝統芸能・京劇の有名な演目の1つです。実はこの映画、京劇の名シーンをビデオカメラで撮影したものでした。10分程度の短い作品でしたが、当時にしてみれば、大変なことだったといえるでしょう。
当時は無声映画の時代だったので、音楽や台詞など音声は聞けませんでした。でも、「定軍山」は立ち回りをメインにした躍動的な演目なので、映像だけでも十分楽しめるものでした。この映画について、中国映画史の専門家・?蘇元先生は「定軍山をきっかけに、中国では映画が盛んになっていった。映画を撮影したカメラマン・任慶泰は中国初の映画監督となり、この作品が作られた1905年が中国映画誕生の年と位置づけられた。当時は、映画撮影のための設備が整っておらず、写真館の庭で一台のカメラによって撮影が行われた。定軍山を皮切りに、同じ写真館で、あわせて7本の京劇映画が撮影された。いずれも、京劇の立ち回りを撮影したものだった」と紹介してくれました。
残念なことに、その後、写真館が火災に遭い、撮影されたフィルムはすべて焼けてしまっているということです。残っていれば、非常に貴重な歴史資料になるに間違いありません。しかし、はじまりはたった10分の記録映像だったのに、100年の歳月を経て中国映画はますます面白くなっています。今年も、いくつかの作品が日本で公開されると思います。機会がありましたら、ぜひ中国映画をお楽しみください。
(編集:コオリ・ミン)
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