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チベット自治区で活躍するボランティア
   2006-08-31 10:06:12    cri

   

 チベット高原は高原の景色は美しく、独特のチベット族文化を持っています。そして平均海抜が4000メートルほど。酸素が薄くて、濃度は平地のおよそ三分の一しかありません。中国の平地に暮らしている人々が、急に、ここに来ると、高山病にかかることがあります。短期間の旅行程度なら、それほどでもありませんが、ここに長い間、滞在するのは、並大抵の苦労ではありません。

 また、交通も非常に不便なところであったことから、これまで発展が妨げられていました。

 2003夏から、西部地区のボランティア事業が始まりました。大学、大学院の卒業生がボランティアとして赴き、町づくりを手伝います。そして、任期が終わった後も、一部の人々は引き続き現地に残って、そのまま地元の仕事に就くことになります。

 李顕輝さんは、そんなボランティアの一人です。

 チベットの人々と同じように高原の日差しで、真っ黒に焼けた顔は、東部沿海地域の人には見えません。李さんは、紺色の制服が似合う検察官です

 李さんは去年夏、名門大学の一つ、北京大学で法律の修士号を取得しました。一般的には、弁護士事務所などの職員として働くことが多いのですが、チベット自治区を援助するボランティア活動の募集を知り、大変興味を覚えました。北京に残って、月に1万元、14万円の高給をもらうか、それとも、月に1000元ほどの生活費ながら、やりがいのあるボランティアをするか、李さんは悩んだ挙句、チベットに来ることを決心しました。

 月に1万元といえば、中国では相当な高収入です。なぜ、それを放棄するという決断をしたのでしょう。

 「正直言うと、決心したときは、かなり興奮していたのかもしれません。でも、肝心なことは、チベットで、ほかの人とは一味違った経験を得られるということです。これは私の将来にとって、大きな財産になりますから。」

 李さんはチベット自治区のラサ市検査院(日本の検察庁にあたる)に勤めることになりました。名門大学からの卒業生ということで、来てすぐに、検査院で法律の養成班の教員に任命され、スタッフに法律理論を教えることになりました。

 この養成班には、ラサ市検査院のスタッフのほか、隣の県の検査院からも勉強に来る人がいます。教えているうちに、李さんは、彼らの理論、知識が足りないことに気づきました。予定のスケジュールではとても足りないと考えた李さんは、高山病にかかる危険を顧みず、授業のコマ数を増やして、できるだけ、多くの知識をスタッフに教えようとしました。

 養成班の教員を務めたあと、李さんは、検査院でもっとも重要な部門である公訴課に異動し、検事アシスタントとして仕事を始めました。アシスタントとはいえ、独立して案件を取り扱う資格も与えられました。李さんは、厄介な案件を進んで引き受けたことから、スタッフから一目置かれる存在となっています。チベット族のスタッフ、ツジンドジさんはこう言います。

 「彼のような、法律面での人材は、この検査院でとても必要とされています。近年、増加している経済関係の案件を扱う検事が不足しているんです。みんな、こうした案件に頭を痛めています。しかし、李さんはそれを、うまく処理してくれるんです。」

 李さんは、法律の知識がしっかりしていて、仕事に対しても熱心、すべての案件に対して真剣な態度で臨みます。これまでの一年間で、李さんは単独で10件余りの案件を取り扱いました。ミスや、証拠不足などで休廷になったことは一度もなかったそうです。

 李さんの仕事振りは検査院でとても評判になっています。検査院の副検査長の劉華雲さんは李さんのことをこう評価します。

 「李さんは法律理論をマスターしているから、案件の調査などでそれを十分に生かしてくれています。罪状を定めるに当たっても、案件の本質をきちんと捉えることに長けていますね。これまで彼に任せた10あまりの案件はいずれもうまく処理してくれています」

 李さんは、また検査院の設備の改善にも力を入れています。特に、これまでの手作業による業務形態を変えようと、北京で、低価格のパソコンを仕入れて、法律の検索システムを作り上げました。これにより、スタッフが効率的に調査を行えるようになりました。

 仕事に熱心な李さんですが、生活面では、非常に質素です。李さんの家は、検査院の近くにある小さな平屋です。10数平方メートルの部屋はきちんと整理されていて、机の上には本が整然と並んでいます。高山病も、当初は悩まされましたが、今は治っていて、生活のうえでは、まったく不便がないということです。李さんの趣味は、庭の鉢植えです。これもチベット生活のいい思い出になりそうだとか・・。

 ただ、チベットに来て一年がたちましたが、いまも地元の食事には慣れていないそうです。幸いラサ市内にも李さんが食べなれた漢族料理のレストランが多くありますから、それほど困りません。

 元々は、一年間ボランティアとしてチベットに滞在し、その後は、北京の戻って弁護士をするというのが李さんの計画でした。でも今、もうチベットを離れられなくなった自分に気づいたと李さんは言います。

 「こちらの仕事の環境が私には、とても合っていると思います。自らの能力を最大限に生かせて、仕事も楽しくできて、充実した毎日です。ですから、検査院の上司が、ここに残ってほしいといってくれたとき、迷わず残ることを決心しました。」

 当初は、ボランティアとしてラサに来た李さん。でも、今は正式の検事としてラサに腰を落ち着けることになりました。これから李さんはラサの町づくりに、住民の一人として携わることになります。

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