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唐山市大地震で生き残った孤児を訪ねる
   2006-08-24 10:14:47    cri
 30年前、河北省唐山市で大地震が発生し、24万人が死亡、そして4千人余りの子供たちが親を亡くし、孤児となりました。これは、中国人にとって、忘れられない記憶となっています。あれから30年。この地震で生き残った孤児たちは、今は、どんな生活を送っているのでしょうか。その中の何人かを訪ねてみました。

 1976年7月28日早朝3時42分、マグニチュード7.8級の大地震が発生しました。わずか数秒間のうちに、唐山市が壊滅しました。徐薇薇さんは、両親とお姉さんに死なれました。

 「突然、空が明るくなってきたんです。その後、雷のような音が聞こえました。私はとっさに地震が起きたと分かったんですが、そのとたん、すぐ近くの壁が割れだしました。そして地面が大きく揺れたんです。私はお姉さんに毛布に巻かれて、ひび割れた壁から外に放り出されました。」

 徐薇薇さんの家族は、お父さんは、唐山鉄鋼会社に勤め、お母さんは、帽子メーカーで働く幸せな家族でした。一家の収入も安定していて、子どもは3人。みんな女の子で、徐薇薇さんは、末っ子です。

 地震が起きた日の前夜、天気が異常に暑くかったそうです。上のお姉さんは、暑さが苦手なので、アパートの外で、同級生とバトミントンをずっとしていて、夜中1時ぐらいに帰ってきたそうです。3人は同じ部屋に寝ていました。お姉さんが部屋に戻った時、徐薇薇さんがベッドから落ちて床で眠っていたのをみつけ、彼女を自分のベッドに抱き上げました。これが結果的に、徐さんの命を救ったのです。

 そしてあの日。天地を揺るがす地震により、徐さんの住んでいた四階建てのアパートは、半分ぐらいが倒れました。目の前にあるのは、煉瓦、石だらけ。お姉さんは、煉瓦の中で、懸命に何かを掘り出しています。妹を見て、泣きながら叫んでいました。「お父さんとお母さん、そして2番目のお姉さんはまだこの中にいる。逃げ出せなかった」と…

 この地震の中で、4千人ぐらいの子供が両親をなくし、孤児となりました。一部は親戚と生活するようになりました。徐さんとお姉さんは、おばあさんの家に行きました。一部は、育紅学校に入りました。この学校は、この地震に生き残った孤児のために作られた学校です。張麗芝さんはこの学校に入って、教育を受けるほか、生活や仕事の面でも、政府に面倒を見てもらいました。

 あれから30年が経ちました。孤児たちは、今、どんな生活を送っているのでしょう。

 徐薇薇さんの家は、160平米あって、大型液晶テレビ、大型冷蔵庫が置かれていました。綺麗な内装が施されており、この家の豊かさを示しています。壁にかけた写真を見れば、家族3人が幸せな生活を送っていることが伺えます。

 徐さんは、現在、広告会社の社長。夫は、自動車リース会社に勤め、娘は、大連の私立中学校に通っています。

 しかし、すべての孤児のその後の人生がうまくいったとは限りません。震災後の唐山は、工業を中心に発展してきましたが、いくつかの国有企業が吸収合併された結果、一部の職員が一時帰休、すんわち自宅待機となっています。張麗芝さんは、5年前、ある炭鉱企業から一時帰休を言い渡され、今は、オフィスの清掃の仕事をしています。

 張麗芝さんは、地震により、右足に後遺症が残り、歩く時、少し不自由ですが、今は元気に仕事をしています。

 「息子は元気に育ってくれたし、夫は私のことを愛してくれています。それに地元政府は、私たち孤児たちに多大な関心を払ってくれています。これから、息子をしっかりと育てて、国家の役に立つ人物になればと思っています」

 地震後30年となった7月28日、張麗芝さんは、唐山大地震記念碑広場へ、亡くなった両親や親戚の墓参りに行きました。四半世紀を経た今も、張さんは一時たりとも、あの地震の悲劇を忘れたことがありません。 

 唐山市の町を行き来する人々の中には、まだまだ、あの地震から生き残った多くの孤児がいます。もちろん、あのような地震は、二度と起きてほしくない悲劇です。しかし、人々は、あの苦難を経験し、乗り越えたからこそ、その後の人生で、困難に直面しても負けない勇気を持つようになったのです。

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