プーアル茶は中国茶のうち黒茶と呼ばれるものの一つです。中性脂肪を溶かし、雑菌を抑え、消化液の分泌を活発にし、酒気や眠気を覚ますなどの働きがあります。そのため、日本やヨーロッパでは「美容茶」「ダイエット茶」「長寿茶」などと呼ばれ、人気が高いです。
プーアル茶の原産地は雲南省とされており、雲南省南部の少数民族・ハニ族などの間で古くから伝わってきました。唐の時代から、南詔の銀生城(現・思茅市)の1500メートル以上の山間部で取れる茶として中国全土に知られるようになりました。そして、明の時代には、「普茶」という名前で親しまれ、また清の時代には雲南地域から皇帝への献上の品に指定され、宮廷でも愛飲されていました。ラスト・エンペラーで有名な中国最後の皇帝、溥儀の好物だったということです。
プーアル茶は、加熱して酸化発酵を止めた緑茶を、高温多湿の場所に置いて、コウジカビで半年から2年、発酵させて作るものです。発酵期間が長くなるほど、味わいがよくなりますが、もちろん、値段も高くなります。6年物、12年物などもあるそうです。
脂肪を溶かす効果があるので、脂っこい中華料理を食べた後に飲むのが一番よいとされています。さらに、血液循環を促進し、血糖値を抑制する作用もあり、漢方薬としても飲まれています。
中国大陸では、文化大革命の時代に、生産が一時中断していましたが、その後、再開され、現在では東南アジア、欧米、日本などにも輸出されています。
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