板藍根(バンランコン)といいますと、中国でだれもが知っている、いや。だれもが飲んだことがある漢方薬といってもいいしれません。板藍根は風邪やインフルエンザなどの予防に効き目があるといわれる薬です。小中学校のころ、季節の変り目になると、子供たちは先生から板藍根をもらい、授業中、いっしょに飲んだ記憶があります。学校全体の健康管理というわけですね。
板藍根はリュウキュウアイ(馬藍)、タイセイ(松藍)、ホソバタイセイの根のことをさします。中国では肝炎やインフルエンザ、耳下腺炎(おたふくカゼ)、扁桃腺炎などの治療に欠かせない生薬として大切にされています。かつて上海でA型肝炎が大流行した時、予防と治療に大活躍したということです。現在でも、B型・C型肝炎だけでなく、インフルエンザなどにもよく用いられています。最近、日本でもエキスや飲みやすく加工された板藍茶が入手できるようになりました。
板藍根の味は苦いのですが、薬局で扱う板藍根のエキスは、砂糖が入っているため、やや甘味があり、飲みやすいです。風邪やインフルエンザの予防以外に、解熱、解毒、のどにいいという効果もあり、抗菌・抗ウイルス剤としても使われています。
【具体的な応用】
1、ウイルス感染症の消炎、解熱、抗化膿
*扁桃腺炎、感冒発熱、口内炎、結膜炎、耳下腺炎、風疹など
*気管支炎、肺炎など
2、各種皮膚疾患の消炎、抗化膿
*毛嚢炎、ニキビ、吹き出物、湿疹、丹毒など
3、消化器疾患
*ウイルス性肝炎など
【注意】
体質や体調によって、効かない場合やアレルギーを起こすこともあります。
(編集:コオリ・ミン)
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