21世紀に入って、多くの新世代の監督は少数民族映画にチャレンジしてみました。『諾瑪的十七歳(ノマの十七歳)』、『可可西里(ココシリ)』、「天上的草原(天上の草原)」、『嘎达梅林(ガダメイリン)』など、中国国内での興業成績は普通なのに、海外では、多くの国際映画祭で賞を受け、海外のマスコミにも高く評価されました。
そのうち、中国の新鋭監督陸川監督の『可可西里(ココシリ)』もっとも輝いた一つです。この作品は2004年東京国際映画祭の審査員特別賞、台湾・金馬賞の最優秀作品賞を受賞し、今年の中国映画金鶏賞を受賞しました。更に、陸川監督は第1回中国映画監督協会の年度大賞で最優秀青年監督賞に輝きました。
海外市場では、ファーコートやショールの人気が高まる中、チベットカモシカを狙った密猟者が増えています。密猟者との戦いで、多くの犠牲者を出しています。1997年、青海省中部の可可西里(ココシリ)では、チベットカモシカを守るための武装パトロール隊が誕生し、密猟者との衝突も頻発しました。北京から取材にやってきた記者は、隊長の日泰に頼んでパトロール隊に同行し、美しいチベットの大自然の中には、あまりにも過酷な現実があることが分かりました。
大自然の美しさと現実の厳しさを合わせ持つこの作品、撮影だけで2年間半もかかりました。実話に基づいたものなので、観客を圧倒する凄い真実味と迫力を持っています。また、チベット独特な自然の風景も欠かせない要素で、そこに活きる人たちの姿も見所だと思います。それによって、正義の意味、活きる意義を、観客に物語っています。
『ココシリ』はチベットのココシリを舞台にした中国香港作品で、東京国際映画祭で上映されて受賞までした秀作です。
「ココシリ」は漢字では「可可西里」と書き、中国国境付近の高地名です。海抜 4,600 メートルもあり、人里離れた地で、「 Hoh Kil 」とも表示されいます。映画『ココシリ』は実際にココシリでロケーションがなされました。ココシリは世界で第三に人が住んでいない秘境であり、生活環境はいたって過酷なので、『ココシリ』撮影スタッフやキャストはそれは大変な目に遭いました。極度の疲労と凍えそうな厳寒、病気と衰弱、それに命にかかわる悲劇的事故すらあったといいます。
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