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貴州省の少数民族ミャオ族
   2005-07-07 12:24:18    cri
貴陽とは

 貴州省は、馴染みが薄いかもしれませんが、中国地図で南西部にあることがわかります。西には雲南、四川、東には湖南、北には湖北、南には広西チワン族自治州に囲まれています。総面積17万平方キロ、北京市の約10倍の広さです。

 省内の9割近くが高原と山間地帯で占めているため、中国では、貴州は雲南と共に、「雲貴高原」とも呼ばれています。

 貴州の省都・貴陽市で、貴州省のほぼ中心にある都市です。中国の省都の中では、ここは比較的規模が小さく、総人口332万人、総面積8,049平方キロです。貴陽市には何と、苗(ミャオ)族、布依(プイ)族、侗(トン)族

ミャオ族の集落が点在する地域

など38もの民族も暮らしています。

 貴陽の夏はそれ程暑くなく、冬もマイナス何十度という厳寒期がなく、空気は適当に湿度もあり、季節風、砂埃ともありません。気候が穏やかなことで有名で、"天に天国があり、地に蘇州・杭州がある、気候が心地よいのは貴陽"という「褒め言葉」があり、海抜も高いため理想的な避暑地でもあります。

 貴州は昔から『天に三日の晴れの日なし、地に三里の平地なし、民に三分銀もなし』。平たく言うと「雨が多く、平地が少なく、貧しい省」と言う意味です。その昔から内陸部だったため、そのような言い方で呼ばれましたが、実は、実感は違っていたのです。

 貴陽市には、高層ビルが林立し、自動車が溢れ、たいへん近代的な都市でした。私たちは丁度一週間滞在しましたが、本当に三日間も晴れ続けることはありませんでした。太陽が顔を出したのは数時間程度でした。だから省都「貴陽」は、「太陽が貴重」と書くのだと思いました。ここでは、「弁当を忘れても、傘を忘れるな」。これが貴陽市ことを言い当てている言葉です。

 山間地に広がる貴陽では、毎日バスで取材しましたが、必ずイロハ坂のようなくねくね道を走って行きました。だから、取材の疲労よりも移動で疲れるという感じでした。

ミャオ族新村訪問記

ミャオ新村で取材する胡記者

 私たちは貴陽市の山中にある個性的なミャオ族の村落を訪ねました。ミャオ族自治郷の「ミャオ族新村」で、貴陽市から車で山に向かって走ること約2時間。この村は海抜1200メートルの山間地帯にあり、ここには300世帯が住み全員ミャオ族です。

 ここは、政府が少数民族の生活保護するため打ち出した政策です。この新村は最近建設されたばかりの村で、村人たちも山の頂上に点在して住んでいた人たちが移転して出来た新しい村落です。

 彼らはもともと山の住民ですから、生活が貧しく、草葺の家屋に住んでいました。政府はこれら少数民族の生活を改善するため、資金を一部提供して、この新村を建設しました。

 ミャオ族新村に到着すると、目新しいコンクリートの住宅がありました。文字通り"新村"でした。5メートルの道路を挟んで、左右に新村の建物立ち並んでいます。まるで都会の住宅みたいでした。

 村の入り口で、村の男たちは竹笛(笙)でミャオ族民謡を奏でています。そのメロディーに合わせて、若い女性たちは艶やかな晴れ着に着飾り踊りを披露してくれました。

歓迎の踊りをするメャオ族の少女達

 女性達が客人の口に水牛の角に満たした清酒を注ぎます。でも飲む時、水牛の角に直接手を触れてはいけせん。心を込めて歓迎の意を含めた清酒を直接飲み干すのは、ミャオ族の礼儀です。

 歓迎の後、村長に話しを伺いました。

「この村は市政府や各関係部門の支持を得て、2004年に建てられました。今、ごらんのように、35世帯が集まっています。もともと、ここは空き地でした。数ヶ月の努力で、今のようなきれいな村ができました。村民たちは快適な家に引っ越したので、皆嬉しい気持ちで一杯です。」

ミャオ達は、米、タバコ、トウモロコシが村の主な作物で、自給自足の暮らしをしているようです。

 ミャオ族と日本は、意外にも関係あるモノを発見しました。まず歓迎のお酒です。米を原料にした清酒で、味覚の点からも日本酒と同じでした。

 次は麺でした。日本の愛知県の名古屋を中心によく食べられている「きしめん」という幅広麺がありますが、形がそっくりでした。スープはピリ辛でしたが、名古屋の「きしめん」を思い出しました。

 また、「草鞋」です。稲藁で編んだもので、田舎道や浅い谷川を歩くのには、とても適した履物です。

新村の住宅

 少数民族は、地理的条件が限定された所に住んでいるため、電気や水道、子供の学校教育、交通などのインフラ整備が難しく、そこで、政府は彼らの生活改善のため、このミャオ族新村を建設したのだそうです。新居の外見は、鉄筋で外側はタイルで被われた、近代的な住宅でした。日本流に言うならば、2DKです。寝室が二つにダイニングキッチン1つ、それに農家ですから作業場がありました。

ミャオ族の女性に歓迎のお酒を勧められるドイツ人専門家

 昨年、山上住宅から引っ越してきた村民の王さんは、「ここに引っ越してから、快適な暮らしが送れるようになり、私は満足しています。今、家では農作物のほかに、豚や牛も飼っています。政府のこの政策の恩恵を受けています」と話しています。王さんは4人家族。家には、大画面のテレビ、立派なステレオ、おしゃれな冷蔵庫など、必要な家電製品がすべて備わっています。町部住民の暮らしと差を感じません。しかし、ある女性は、「私は畑が遠くなるので、新居に引っ越したくはありません」という人もいました。

 一戸建ての家屋に引っ越す場合の費用は、政府が4000元、村人自身は12000元をそれぞれ負担することになっているようです。やはり、これは一部の人にとって、かなりの負担に感じるようです。

刺繍は芸術品

 ミャオ族は手先が器用なことでも知られています。何よりもその刺繍の美しさに感動しました。彼らは文字を持っていないため、民族の歴史をすべて刺繍で服に刻み込んでいます。ミャオ服の刺繍の美しさは"芸術品"です。

 これらは全て手作り作業というところにも感心しました。他のミャオ族も歌が上手で、刺繍も上手です。ミャオ族の女の子は、5、6歳の頃から刺繍を習い始め、花嫁衣裳を準備しはめると聞いています。

洞賽(トン族の観光地)

 今回の訪問の時間は短かったですが、実際に現地に行って、本当の貴陽の様子を始めて知ることができました。有意義な旅でした。皆さんもぜひ時間があれば、一度は貴州省を訪問してください。

 省都貴陽は、現代化を進めると共に、環境保護も忘れていません。都市部もさることながら、農村まで資源を有効に使い、環境と人命優先のリサイクル経済コンセプトで産業活動を活発に展開しています。

 これから、貴陽はきっと、その豊富な観光資源や少数民族のユニークさが、内外の多くの観光客を引き付けるに違いありません。

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