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前人栽樹、後人喫茶その2
   2005-06-09 17:04:02    cri

 雲南省南部シーサンパンナーにあるお茶の産地、ハニ族の村・南糯山村バンポー寨では、こういう素朴な飲茶作法が伝わっています。60代の村人・張さんの話です。

「私たちは新鮮な茶葉で即席で作ったお茶を飲むのが好きです。子供の時、両親はよくこのようなお茶を立ててくれました。先ずは、茶の木から茶葉を摘んできます。それを囲炉裏の火であぶり、それから器の中に入れて水と一緒に沸かします。器は、土でできた急須や、新鮮な竹を切ってきて、その筒でお茶を沸かすのです。私たちは山へ野良仕事をしに出かける時、これを持参していくのです。本当に美味しいですよ。」

 ところで、この茶作りの伝統のある村で、その後、お茶の生産を再び村興し産業とするには、20年余りの時間がかかり、紆余屈折がありました。

 文化大革命での森林破壊、それにより、お茶の古木の減少や、お茶の生産と食糧確保を調整したり、更に は、村に合った発展の道を意欲的に模索する村人や地元政府の努力が実り、お茶の産地を守りました。

 張さんによりますと、「今、茶葉の年間生産量は、1万俵になっていますが、1984年当時ではわずか960俵で、すべて古代の茶畑からでした。当時、私は村の書記をしていました。中国は改革開放政策が実施されて間もなく、私も村興しの良い方法はないものかと色々模索していました。」

張書記は村では数少ない県立学校で教育を受けた人です。

「当時、私は県よりも遠いところには行ったことがありませんでした。しかし、学校に入ったので、何とか自分の役割を発揮したかったのです。 

 村の長老たちからは、以前、村には茶葉生産がたいへん盛んだったことを聞いたことを思い出し、お茶に関する歴史を色々勉強し始めました。その中で私たちの村が、人類の茶葉栽培の歴史で、非常に重要な位置付けにあることを改めて気づきました。」

 若き張書記は茶産業を、村の発展と結びつけることができるという直感を持ちました。彼は自分の考えを文章に纏め、それを県や省の農業主管部門に報告しました。これは様々な有意義な提案だったようです。

「県や省の茶葉研究所や農業事務所の研究者たちは、何よりも古代の茶畑の保護、開発と利用を重視すべきだとアドバイスしてくれました。」

 しかし、村で茶産業を発展させる前に、先ず最初に取り組んだ問題は、村人の「食」の問題でした。すべての村民がお中いっぱいまでご飯が食べられるようにすることだったそうです。

「生産高の高いハイブリッド米を導入しました。生産高が高くなるに連れ、村では、人手や土地に余裕が出ました。」

 次のステップは、古代の茶畑を保護すると同時に、新しいお茶の木を植えることでした。

「古代の茶畑からは付加価値の高いお茶が収穫できたものの、生産高は限られているため、お茶の大規模生産には、新しい茶畑を造成することが必要です。」

 村の古代の茶畑は、文化大革命で破壊情況がひどかったそうです。一方、茶の木は日本の皆さんは、背の低い潅木というイメージかと思います。しかし、ここ雲南の茶の木は、樹高、木の高さが比較的高い喬木なのです。苗木が成長して、茶摘できるほどの背丈になるには、大変時間のかかります。すぐに利益につながらないため、村人は、新しいお茶の木を栽培することに意欲的ではありませんでした。

「『茶の木は子孫のために植える木だ』という言い伝えられているほどです。しかし、雲南省の関係者の技術支援で、村に短期間で育たつお茶の木の種類を導入しました。当初は、実験的に100ムー(約7ヘクタール)余り栽培していましたが、その成果が確認されてから、村人の意欲が高まり、すぐに4000ムーへと拡大し、今では、新しい茶畑の面積が8600ムー(約540ヘクタール)にまで拡大してきています。以前、村には稲作のほか、とうもろこしなどの雑穀も植えていましたが、今はお茶が中心産業となり、村には数多くの茶葉を専門的に育成する世帯が現れており、人々の収入も大幅に増え、現在、一人平均あたりの年間純収入は1200元に達しています。」

 ところで、村人は自分のふるさと産のお茶のことをとても誇りに思っており、今後の発展に自信を持っています。

「わたしたち南糯山の茶の特徴は1つは香りが良いこと。もう一つは飲んだ後、甘い味が残りコクがあること。今から半年間続けて飲んでいただければ、きっとその後も他所のお茶はほしくなくなり、私たちの茶を一日だって忘れることができなりますよ。」

 現在、ここで初歩的な加工を経たお茶はほとんど、原材料用として、雲南省内の製茶工場に買われ、それぞれのお茶工場のラベルが貼られ、固められた後、丸いプーアル茶として市場に出回ることになっています。残念ながら、村には今のところ、まだ独自の製品をつくってはいないようです。将来に向けて村は、ブランド化を進め商標登録の申請をして、村自身の生産品としてのお茶を製造していきたいと、村人は夢を語ってくれました。

 このように、より高い付加価値のお茶、より品質重視したお茶を追求するのは、ほかならず、村の若い世代です。出稼ぎの仕事をきっぱりとやめ、故郷に戻ってきた若者の話しを来週ご紹介します。どうぞまた来週をお聞きください。

少数民族
v 中国政府、少数民族の経済・社会発展を重視 2005-06-02 10:38:52
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