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霊岳寺で雅な集い

2014-09-29 17:04:55     cri    

 文化史において重要な位置を占める霊岳寺は、今は仏像もなければ、和尚もいない空っぽの寺院です。明の時代から、寺院を取り囲むように4つの村落がありましたが、寺院が機能しなくなると、地盤が脆弱なことから村は不便極まりない場所になってしまいました。結局廃村になったり、地元政府の政策で村ごとに麓に移転したり、霊岳寺とその周辺は荒廃の一途をたどってきました。

 こんな忘れ去れそうな寺院が「文化の雅集」の会場になるまでに、実に10年もの月日を要しました。

 霊岳寺とその周辺地域の歴史や自然を地域振興に繋げられないか、地元の門頭溝区政府が苦心し、2003年に霊岳寺が北京市指定文化財に登録されました。また、区政府は民間からの観光投資の誘致にも意欲的でした。

 現在、門頭溝区で霊岳寺を含め、周辺の古代村落の観光開発を手がけている実業家の黄怒波さんは、10年前に、現地を視察した時、荒涼たる霊岳寺付近でドラマの撮影クルーに遭遇したと振り返ります。

 「戦争ドラマの撮影をしていたようです。無人になった家を1棟500元の値段で、爆破していました。明や清の時代に建てた多くの民家はこうして消えてしまい、このままだと、霊岳寺の歴史が消えていきそうと私は焦りだしました」

 実は実業家の黄さんのもう一つの肩書は、詩人なのです。現地視察からショックを受けた黄さんは、霊岳寺の歴史を残そうと、周りの村落の修繕や観光開発に着手しました。その一連の取組が始まって今年で丁度10年になると言います。

 霊岳寺は指定文化財のため、手を加えたりすることはできませんが、寺院と隣り合わせの村落の跡地にあった昔風の四合院住宅を改修しました。この四合院は高級ホテルに生まれ変わり、現在、地元政府と一緒に進めている寺院の再開に合わせて、2年後に開業することが目標だと言います。

 北京の中心から遠く離れていることを逆手にとって、古代文化を愛し、雅な嗜好のある人に、霊岳寺の界隈を大自然と詩情に浸るレクリエーションの地にしていこうという計画が今は着々と進んでいるようです。(写真は霊岳寺境内からの民家への眺め、高級ホテルとして使われる予定)


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