「すぐにつけ睫毛外して!面接室の先生に化粧禁止って言われるから」-----。アナウンサー芸術学部を受けた多くの受験生は、面接会場からすぐに立ち去らず、これから面接に臨む受験生仲間に化粧を落とすようアドバイスしていた。
4日午前、アナウンサー学部受験会場の外では、入室を待つ美男美女が面接スーツを身にまとい、多くが濃いお化粧を取り、ナチュラルで清々しく簡素なイメージを漂わせていた。
ある受験生は、慌ててメイク落とし用品を人に借り、受験会場でメイクを落としたという。「素顔で受験することについては知りませんでした。映像芸術学部を受験しましたが、『カメラ映りを良くするためにはうまく化粧できるようになりなさい』と先生から言われました」と驚いた様子で話した。別の受験生は、「この2日間、直前準備でゆっくり休む暇がありませんでした。素顔で受験することを早くから知っていたなら、もっとしっかり休養していたのに!」と、疲れた様子が顔に出ていないかどうかが気がかりだと、ため息をついた。
「素顔で受験に臨むこと」という条件に対し、多くの受験生からは、悲喜こもごもの反応が見られた。
ある受験生は、素顔になると、心理的にバランスが取りやすくなると話した。「化粧で華々しく飾り立てた」一部の受験生に対する負い目を感じる必要はなくなる。しかしその一方、自分も素顔であることから、自信を失い、自分の良い面を十分発揮できないのではないかという不安も残るという。
別の受験生は、受験までの数日間、仕事と休みが不規則だったので、顔に吹き出物ができてしまったという。しかし、コンシーラーで隠すまでもなかったので、そのブツブツが試験の成績に響くのではないかと恐れている。
多くの受験生は、面接会場で自分の最高の姿を見せるために、受験前に「苦しい時の神頼み」さながら、学校近くの美容院に駆け込んで美白エステを受ける、あるいは小顔マッサージに勤しんだ。同校芸術学部の「素肌受験」実施のおかげで、大学周辺の美容院は軒並み、売上増にホクホクだ。
▽貧富の格差回避が目的 素顔による面接試験はより公平
中国伝媒大学芸術系学部の学生募集要項には、アナウンサー芸術学部と映像芸術学部の受験生に対し、第2次試験を受験する際に「化粧をしてはならない」という条件がカッコ内の但し書で明記されている。
同大学放送アナウンス学院の魯景超院長は、「アナウンサー学部入試の条件に素顔での受験を加えた主な目的は、試験における公平性を高めることにある」と話した。
魯院長はさらに、「自分を少しでも良く見せようと、有名ブランド化粧品に多くのお金を注ぎこむ受験生がいる一方、化粧をするための条件に恵まれない人もいる。これでは、化粧をしないでテレビカメラの前に立つ受験生にとって公平な試験とは言えない。だが、実のところ、試験で重視するのは各人の能力で、決して見た目ではない」と続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」より
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