胡同の奥には、もう1つ立派な公邸があります。それは光緒年間(1875年―1908年)、武英殿大学士だった文煜(ぶんいく)の屋敷「可園」です。5つの塀で囲った中庭のある住宅で、敷地面積は1万1千平方メートル。そのうち、太湖石、築山、池、水辺のあずまや、そしてアーチ橋、竹園などが配された蘇州式の住宅で、装飾も精美で厳密に選定され、自家の庭園の中でめったにない四合院です。残念ながら、ここは一般に公開されていません。その美しさを自分の目で確認することはできませんが、逆に思いっきり光景を想像してみるのもいいかも知れませんね。資料によりますと、そのうちの13号院は北洋軍閥の馮国璋が住んでいたこともあったということです。現在、この公邸は保護文化財に指定され、外交部が所有しています。
これは終日騒がしい地安門大街の隣に位置する静寂の帽儿胡同です。その濃密な並木道の下で、色あせた壁と扉の向こう側には、時代の変遷とともに歴史に残った物語が数えられないほどあります。(取材:馬ゲツ)
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