汗だくだくの夏。皆さん、汗を何で拭いていますか。
　日本では、ハンカチやタオルだと答える人が多いかもしれません。しかし、今の中国では案外使われていないものが「ハンカチ」なのです。
　ふた昔前と違って、今、大多数の中国人は「ハンカチ」と聞くと、小さな子どもか年配者が使うものだとイメージするそうです。その代わり、手を拭くのも、汗を拭くのもすべてティッシュに頼っています。木材資源が不足している上、毎年、大量にパルプを海外から輸入している中国では、「環境を守るために、ハンカチを持ち歩く習慣を身につけ、ティッシュの使用を減らそう」と最近、環境保護の視点からハンカチが再び脚光を浴びるようになりました。
　一方、北京のデパートやスーパーでは、「ハンカチ」をどのように扱っているのでしょうか。
　今回の「北京表情」は、この夏、CRIでインターンをした早大留学生の上垣夏乃子さん（写真左）と松江清揚さん（写真右）がリポートします。
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　最近、北京では環境保護のため、またはおしゃれ感覚からハンカチを持つようになったという人が増えていると聞きました。そこで市内デパートやスーパーを3店を訪れ、ハンカチの品揃え、売れ行きなどを取材しました。　

　まず最初は、地下鉄1号線の南礼士路を出てすぐの「復興商業城」というデパートに向かいました。ハンカチ売り場はお店の一番奥にあり、日用品売り場の一角に、ミニタオルと包装されたハンカチなどが少し置いてあるだけで、決して人気があるというわけではなさそうでした。

　店員さん話を聞くと「以前は買いに来る人はほとんどいなかったけど、今年は以前より多いですよ。それでも1日に数人ですけど」と答えてくれました。

　次に宣武門にある日系デパート「そごう」を訪れました。SOGO新館内には有名ブランドなど数多くのお店がありましたが、日本のようにハンカチ専門コーナーはありませんでした。結局、店内でハンカチを販売しているお店は唯一「kevin kelly」という男性ブランド店だけでした。しかも引き出しの中の奥の箱に3種類あるだけです。 　

　「お客様は、いつもは年配の方が多いですね。でも6月は父の日のプレゼントとして買われる方が多かったです」、と店長さんは紹介してくれました。

　日本ではデパートの1階にはハンカチ専門のコーナーがあり、色とりどりハンカチが売られているので、北京のデパートにハンカチがほとんど置いていないことにとても驚きました。

　最後に訪れたのは、東直門の駅ビルの中にある、「HOTWINDLIFE」というおしゃれな、若者向けのチェーン店です。

　ここでは前の2店舗とは異なり、お店に入ってすぐのところに、ハンカチのコーナーが設けられていました。色やデザインも豊富で、値段はどれも10元から20元とお手ごろです。　「今は夏なのでよく売れています。1ヶ月大体150から180枚売れます。女の子がボーイフレンドへのプレゼントとして買っていくことが多いようです」、と店長さんが話してくれました。

　店内でショッピング中の20代のカップルに質問してみました。

　「ハンカチといえば小さいころ、手を拭いたり、鼻をかむときに便利なように、胸にピンで留めていた思い出があります。それがおばあちゃんたちが使うものという印象がありますね。」と話してくれました。

　彼らによると、北京ではハンカチの代わりにティッシュを使うことが一般的なようです。ティッシュは外出の際の必需品のようで、わざわざ取り出して見せてくれました。

　やはりハンカチは小さい子供やお年寄りが買うものというイメージがあるようでした。でも、最近はエコに興味を持ち始めた人の間でだんだん人気が出てきているようです。また、ハンカチを持っている男性はおしゃれというイメージが芽生えつつあることから、だんだん若者の間でファッションのひとつとして受け入れられ始めているようです。彼らも「素敵なデザインのハンカチがもっと増えたら買ってみたいですね。」と言っていました。

　最後に、北京のリアルの店舗では、ハンカチはなかなか買えない、または売っているとしても、種類がそんなに多くはないですが、最近ではインターネット上でもハンカチが販売されるようになりました。お店に比べると種類もより豊富で、価格もお手頃なものが多いので、みんな気軽にハンカチを買えるようになってきているようです。（写真はショッピングサイト"淘宝"のページから↓）

　より詳しい北京のハンカチ事情は7月13日放送の「経済直行便」（https://japanese.cri.cn/782/2010/07/13/145s161060.htm）をお聞きください。

（企画：王小燕、記事：上垣夏乃子、松江清揚、撮影：大野清司）