北京はアカシアの花が満開の季節となりま
町をぶらぶらすると、どことなく心地よい、淡い香が胸に染み込んできます。
アカシアの花は香が良いだけでなく、口の中に入れて噛んでみると、しゃきっとした音と共に、上品な甘さが広がります。初夏の味でもあります。
昔は、アカシアの花はギョウザの餡やスープの材料によく使われていましたが、さすが大都会の市街地では、満開のアカシアの木の下でも、花を集める人の姿は見られません(写真は建国門外のアカシアの木。夕方になると、赤いちょうちんが映える)。
中国では5月1~3日は、メーデーの3連休でした。北京では、メーデーの前後は季節の変わり目でもあります。
今年も連休中、最高気温30度を超えた日がありました。昼過ぎに外を歩くと、たちまち汗びっしょりになり、真夏のような蒸し暑さを感じました。
かつての7連休とは違って、去年からメーデーは3連休に短縮されました。そのためゆっくり遠出できない人も多かったでしょうが、それでも、北京の地下鉄は、1日と2日は、平日のラッシュアワーよりも混雑していて、天安門広場も溢れんばかりの人出でした。北京以外の地方からの観光客の姿が目立っていました。
さて、連休が始まる直前の29日と30日、天安門広場の両脇に久しぶりに日の丸が掲げられました。日本の麻生首相の中国公式訪問を歓迎する旗でした。
麻生首相は訪中の二日目、CRI局ビルと同じく石景山区にある首都鋼鉄集団総公司の本部を訪問しました。
首都鋼鉄(略して「首鋼」)は1919年、北京の石景山に創業した製鉄工場ですが、2010年までに、北京のすべての冶金、圧延製造が創業停止になります。その代わり、北京以西220キロの河北省唐山市の海沿いにある曹妃甸(そうひてん)工業団地で新しい工場が作られることになりました。2005年に始まった移転作業は、今、着々と進められているようです。
首鋼の本部は北京に置かれ変わらないですが、石景山区にある広大な社屋は、現代アートのアトリエやレジャー施設に変身し、今の首鋼界隈は「首都文化レジャー地区」(CRD)として生まれ変わります。北京の東部にはCBDと呼ばれるビジネス・エリアがありますが、これと呼応した形で新しいレジャーの町が誕生するわけです。大枠は2015年までに出来上がり、完全な竣工は2020年を予定しています。
首鋼の敷地内を今、散策していても、これからどう変わっていくのか見当がつきません。しかし、いずれ大きな変化が起こることは確実です。
せめて、今の様子をしっかり目に見極め、これからの変貌を期待したいです。その時は、北京の空は今以上に青くなるだけでなく、市民たちの憩いの場、芸術を満喫しながら心安らぐ場が増えることを楽しみにしています。
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