中国では、お年寄りと子供を大事にするという文化が隅々まで浸透しています。電車やバスでは若者が皆、すんなりと席を譲る光景が日常的に見られます。これは是非、日本も見習わなければなりませんね。
さて、そうした文化は実に素晴らしいと思うのですがちょっと疑問に思う点は「子供に優しいというよりは、子供を甘やかしすぎ」という点です。
公共の場所で子供がどんなに騒ごうと、スーパーのレジで我慢できずに会計前のお菓子を食べてしまっても、人様に迷惑になるような行為をしても「子供のやることだから仕方ないでしょ!」という具合に、親が注意しないというのも日常的に見かけます。保護者が注意しないくらいですから、他人はもっと注意なんてしません。悪いのは子供ではありませんよね。きちんと躾けない親が悪いのです。将来、そんな子供が大きくなってからのことを考えると、ちょっと怖いです。
先日友人と、ある店で食事をしていたときのこと。私の後ろのテーブルで小学校低学年程の子供2人と、おそらくそのおばあちゃんと思われる3人が食事をしていました。
突然、私の背中に何かが当たったのです。物が投げつけられた様な感じでした。驚いて振り向くと、後ろの3人がゲラゲラ笑っていました。
何だったかというと、1人の子供がふざけて、パンの様な物をもう一人の子供に向かって投げたんですが、それが外れて私の背中に当たったのです。
ちょっと油っぽいそのパン…。
床に落ちたパンを誰も拾おうともせず…。
子供もおばあちゃんも笑いながら、振り向いた私の顔を見ていました。
私は思いました。
「ま、子供のすることだから許される…。」
「ハズなんて無い!!!!!」
少しも悪びれていないその子供に向かって私は真面目な顔で言いました。
「どういうこと?」
すると、さっきまで無邪気に笑っていた子供の顔が見る見る凍りついていったのです。恐らく、他人に注意されたことが無いので怒られるとは思っていなかったのでしょう。しかも、自分と同じくらいの子供がいてもおかしくなさそうな女性が、子供を怒るハズなんてないと安心していたのでしょう。
凍りつく子供達…。
すると、その子のおばあちゃんが子供に言いました。
「謝りなさい」
「ごめんなさい」
その子は直ぐに謝りました。
私は「謝ったからもういいよ」
と言って、何も無かったようにまた、友人との食事を続けました。
他人に迷惑をかけたら謝るのは当然です。
それよりも何よりも、今回のことは食べ物を遊びの道具にしていることが許せることではありません。
子供が将来どういう大人に育つのか、大人の責任は大きいと思います。
子供に優しくするのと甘やかすことは、似ていますが全く違うことですよね。
本当にその子の為を思うなら、やはり厳しく躾けるのが愛情だと私は思います。
丹羽麻衣子
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