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<コレ若>第七弾(2) 若き画家の卵・中国ミャオ族の艾暁松くん

2011-08-16 15:02:11     cri    

 「コレ若」シリーズ第七弾、先週は若き画家の卵・艾暁松くんの生い立ち、そして絵描きの道へと踏み出す第一歩となった事柄についてお届けしました。今週の第二回は、暁松くんが北京に来て出会った、日本人との交流を垣間見てみましょう!

(受賞時の艾暁松くんと当時の恩師)

第二回 艾暁松くん、北京へ。日本人との出会い。

 暁松くんが北京生活を開始したのは、国際青少年芸術盛典で金賞を受賞したことがきっかけだった。

 湘西にある県での受賞が湖南省へ、湖南省での受賞が全国へ、そして海外で開かれる国際交流コンテストへ…といった具合に階段を駆け上がり、ついに天安門の東側に位置する人民文化宮・文化部から北京で絵を学ぶようにと、暁松くんの故郷である県政府へ通知が送られたのだ。

 2007年8月4日付けのこの通知にはこう書かれている。

 

(人民文化宮から県政府に宛てた北京受け入れの通知)

 ――貴県の小さな画家・艾暁松くんは優秀な絵画芸術を備え、豊かな才能を持っている。彼は中国のために育成すべき大樹となる人材である。文化部中国美術創作基地、中国書画収蔵家協会、中央美術学院などの専門家および教授らの審査を通じて、艾暁松くんを北京で受け入れ、専門の訓練と文化教育を受けさせるものとして決定した。尚、小さな画家・艾暁松くんのデッサン作品「ゴーリキー」と「毛沢東」の人物画は中国書画収蔵協会に収蔵する。――

 そしてこの通知の最後は、「貴県政府に学費支援を要請したい」として結ばれている。

 この通知書が、艾暁松くんの北京生活、そして絵描き人生の始まりとなった。

 通知が発行されてから程なくして故郷の湖南省を離れた当時10歳の暁松くんは、ご両親が上京の準備を整えるまでの1年間、親元を離れて北京での生活をスタートした。

 「(両親が上京するまでの間)美術指導の先生が面倒を見てくれました。両親は、北京の方がチャンスが多いだろうし、画家もたくさん居るから交流に良いだろうと、(北京行きを)応援してくれました」。

 ご両親は暁松くんの出発が決まると、まとまった資金を準備して送り出してくれたそうだ。

 1週間に1度故郷のご両親に電話できるかできないかの生活。

 わずか1年の間とはいえ、まだ10歳の少年だ。

 「心細くはありませんでしたか?」と李アナが尋ねると、「1年後には両親も来ましたし、先生が面倒を見てくれていたので、不自由はありませんでした」と答えた。

 美術学校への入学を1年後に控えた暁松くんは、その1年間、お世話になっている先生が指導を務める絵画教室に通っていた。

 そして北京に来て間もない頃、その絵画教室で日本人の男性・ヒロさんに出会った。自分より一回り以上も年上の日本人。交流の始まりは、暁松くんがヒロさんにアドバイスをした事がきっかけだったそう。

 「ヒロさんが描けないところがあったりとかして、僕が教えてあげたんです。それからだんだんと仲良くなって、弟みたいに思ってくれていると思います。よくあちこちに連れて行ってくれたりもします」。

 今回の取材にも、ヒロさんが同行した。

 暁松くんに取材を依頼した際、どうしてもと暁松くんが希望したのだ。

 「仲間が居たほうが心強いから…」と苦笑いする暁松くん。

 「彼は小さい頃から絵ばっかり描いてきたから、やっぱり日本とか他の15歳くらいの子に比べて圧倒的に経験が少ないと思うんですよね。だから色々見せてあげたいなっていうのはあります」。

 暁松くんとの交流を、ヒロさんはそう話してくれた。

 この夏、暁松くんは4年ぶりに故郷に帰るそうだ。

 その帰郷を後押ししたのがヒロさん。

 「故郷に帰るためのチケット代の200元がなくて帰れないって僕に言うんですよ。だから働けって、知恵を使えって」。

 その言葉を聞いた暁松くんは、自らの作品数枚と引き換えに湖南行きのチケットを手にしたそう。

 そんなエピソードには、年や国、そして民族を超えた男同士の友情が垣間見える。

 優しくも厳しい、日本人のお兄さん。

 李いつごうアナが「ヒロさんとの交流から、何か学んだりすることはありますか?」と質問を投げかけると、暁松くんはチラッとヒロさんに目を向け、照れ笑いをしながら言った。

 「もちろんです。異文化を知る事ができます。それに、僕が見たことも無い色んなものを見せてくれます」。

 その後暁松くんは北京中央工芸美術学院付属中学で本格的に絵画の教育を受けるために絵画教室には通わなくなったが、二人の交流は今でも続けられている。

 中国の小さな村から夢を抱いて北京に来た少数民族の少年と、日本から同様に夢を抱いて中国を訪れ、北京にたどり着いたヒロさん。

 二人の出会いという小さなドラマが、中国という国の人材として花開こうと枝葉を伸ばす暁松くんの将来にとって、何かしらの良いエッセンスになることだろう。

 (取材:李いつごう、文:中原美鈴)

 「これからの中日交流を支える若者たち」第七弾、次週の第三回は、艾暁松くん自身についてお話を聞いてみました。夢へと突き進む中国の若者が何を想っているのか、その真直ぐで少し背伸びした暁松くんの姿をお届けしますので、どうぞお楽しみに♪

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