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<コレ若>第七弾(1) 若き画家の卵・中国ミャオ族の艾暁松くん

2011-08-09 15:02:11     cri    

 「コレ若」シリーズも今月で第7弾。今回は初の中国語の取材ということで、インタビューを李いつごうアナが担当しました。インタビューの内容を私中原が記事に起こし、全4回の記事のうち1回は李アナが中国の少数民族の活躍などについてお届けする予定です。これまでとは一味違う「コレ若」をどうぞお楽しみください♪  

(取材の様子。中央が艾暁松くん、左は李いつごうアナ)

第一回 艾暁松くんの生い立ち

 艾暁松くんは1996年生まれの弱冠15歳の少年。ミャオ族の彼は、幼少時より故郷の湖南省を離れ、絵の道をただひたすらに歩いてきた。今回は、2歳から絵を描き始めたという暁松くんの絵描き人生を振り返ってみようと思う。

 暁松くんの故郷・湖南省湘西は中国の少数民族である「ミャオ族」が多く暮らす。長江の支流が流れ、洞庭湖の南に位置する湖南省は、水源豊かで美しい場所だと言う。

 「僕の故郷は、とにかく山がたくさんある場所なんです。」

 暁松くんが生まれ育った故郷の家は、山竝の湖畔にあるそうだ。

 絵の勉強をするために4年前から北京で暮らす暁松くんは、この4年間一度も帰郷していない。

 「本当に、故郷が恋しいです。」

 15歳といえば思春期の真っ只中。

 思春期の少年らしく多少の突っ張った部分を垣間見せることはあるものの、素直にそう力を込めて答える彼からは、非常に純粋でさわやかな風を感じる。

 ここに、2007年4月15日付けの「団結報」(新聞)がある。

 

 「絵をこよなく愛する、村の小さな絵描きさん」と題され、幼き日の暁松くんの写真が添えられたこの記事の内容はこうだ。

 ――2007年2月2日、世界文化芸術交流協会などが主催する「国際青少年芸術盛典」が広西省で行われた。その書道・絵画コンテスト会場で、まだあどけなさの残る少年が人物画をデッサンしていた。…この少年は、湖南省花垣小学校の艾暁松くん。彼の作品(デッサン)は今回のコンテストで青少年書道・絵画部門の金賞を受賞し、同時にドイツCGIA(China-Germany Interactive Association)交流協会に送られ、展示されることとなる。――

(金賞のトロフィーと賞状を手に、暁松くん)

 当時暁松くんは、小学校五年生の10歳。ご両親が共働きだったため、祖父母が面倒を見ていたという。

 「2、3歳の頃から絵は描いていました。でも、ただ何となく筆を動かしただけのお絵かきですよ。」

 壁や家具など、所構わず落書きをして度々父親に叱られたと言うが、2、3歳の子どもであれば珍しいことではない。

 その後小学校に入ると6歳の頃からご両親の勧めで絵画教室に通い始めたそうだが、彼の「お絵かき」の何がご両親の心をそう深く突き動かしたのだろうか?

 今回のインタビューを担当した李いつごうアナが「なぜ絵を描くことを選んだのだろう?子どもの遊びって、他にもたくさんありますよね?」そう聞くと、暁松くんは決然とこう言った。

 「(他の遊びが)面白そうだと思わなかったんです。それだったら絵を描いて、壁に貼ったりして自分で楽しむほうが良いと思って。」

 そうしてただまっすぐに絵を描くことを楽しむ彼の姿に、ご両親は未来の光を見出したのかもしれない。 

(デッサンに集中する当時の暁松くん)

 4年前のその新聞記事によると、暁松くんの美術指導を担当していた呉紹興先生は、暁松くんのことを当時こう評価していたという。

 ――艾暁松くんはまだ小学生ですが、非常に吸収が早く絵の才能もある。正に金の卵です!――

 国際青少年芸術盛典で金賞を受賞してから、暁松くんの道は大きく切り開かれた。

 文化交流のために日本の長崎と韓国を2週間ほど訪れ、帰国後北京に立ち寄ることとなった。

 日本の印象を暁松くんに聞いてみると、「寝るのも座るのも布団一枚っていうところとか、中国とは違うな、と思いました。」と、何とも純朴な子どもらしい答えが返ってきた。

(実家の壁には、無数の作品がいっぱいに貼られている)

 幼かったためか残念ながら鮮明な記憶は無いそうだが、日本を訪れた際に日本側の主催者から授与された証書をコピーして、大切に取ってある。

 その証書には、日本語でこう書かれている。

 ――艾中平と艾暁松の二人は、日本で開催した2007年度日中友好交流会の活動で、優秀な成績を獲得し、優勝賞を表彰されました。以上証明いたします――

(コピーして大事に持っている賞状や証書)

 誇らしげに並んだ「艾中平(父親の名前)」と「艾暁松」の文字。暁松くんの才能を信じ、決して裕福ではない生活の中、彼の好きな絵を描かせてあげたいと願い、その道を共に切り開いてくれたご両親との絆がはっきりと具現化して刻まれている。

 そして正に、そうして彼らが歩いているその道が、自ずと中日交流の一端を担っているのだ。

(取材:李いつごう、文:中原美鈴)

 さて、次週の「これからの中日交流を支える若者たち」第7弾、第2回は、北京で絵の勉強をスタートさせた暁松くんの様子をお届けしようと思います。

 そしてこれまで暁松くんが描いてきた数々の作品の一部もご紹介しますので、どうぞお楽しみに♪

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