名前 神林(かんばやし) 佐(さ)希子(きこ)
早稲田大学 文化構想学部 二年(現在 北京大学 対外漢語教育学院に留学中)
中国渡航歴 07年 9月 内閣府日中青年親善交流事業に参加 3週間の交流事業
08年 3月 北京大学に一カ月短期留学
9月ーー 北京大学留学
私が初めて中国に来たのは、内閣府日中青年親善交流事業の団員としてでした。大学で中国に関して専門に勉強しているわけでもなく、中国語もままならない私に突然、中国訪問という機会がやってきました。その時は中国といわれて思い浮かぶものは北京の天安門広場の画くらいでした。私にとって中国は隣国でありながら遠い国で、イメージを抱こうにも何も出てこないくらい本当に未知の存在でした。北京の地に降り立って感じたことは「道が広い、人が多い、すべてがとにかく大きい!」ということでした。中国各地をまわり、ホームステイや大学を訪問したり、少数民族と交流したりした体験は、私に今までとは異なる中国イメージを与えてくれました。この交流事業の中で最も印象に残ったのは、やはり中国人という人それ自身でした。中国語を話せない私に積極的に話しかけて交流を図ろうとする姿勢からも熱意が伝わり感動しました。帰国後「彼らと言語という共通点ももち、交流をしたい」と思うようになり本格的に中国語の勉強を始めました。
そして初めて中国を訪ねてから一年後、自分でも全く想像していませんでしたが、留学生として再び北京に戻ってきました。今回が3回目の北京ですが、毎回毎回来るたびに新しい発見があります。いたるところで工事をしていて、街全体が常に変化をしています。街の変化にしても、私の住んでいる東京と違うことは古いものが残っているというところです。北京の街の変化はどんどん新しいものが増えていく、来るたびに王府井には新しいお店がオープンしている、国貿の何もなかったところにビルが建っているといった具合です。東京では新しい建物がたつたび「ここには昔何があったのだろう」としばしばその新しい光景から昔の姿を思い出そうと必死になります。しかし北京の変化は、自分の知っている画に新たな要素を描き足す感じです。新しいものができると消えるものがある東京と、新しいものが増え続ける北京。来るたびに異なる北京の街にしっかりと残っている自分の知っている建物を見つけると、どこか安心感があります。またタクシーに乗り、おしゃべり好きな中国人らしく、日本のことを聞いてくる運転手に出会うと「ここはやっぱり北京だ」と感じます。
テレビ番組や地下鉄の駅、秒単位までついている時計表示もめまぐるしく変化する北京を表しているようです。しかし、東京のように細かく時間を気にしない北京人。北京は昔と今、富と貧、資本主義と社会主義のように相反するものが同時に存在している気がします。この北京の独特な雰囲気を一年間の留学という限られた時間ですが、思う存分に味わってみたいです。
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