中華圏で大人気の日本人アーティスト・中孝介が7月9日、広東省広州市で、中国初単独コンサートを行ったということです。
中孝介は奄美大島出身で、独特な歌声から"シマ歌王子"と呼ばれ、その独特な声と歌唱法は「地上で、最も優しい歌声」とも称されています。
中国全土での人気がどんどん広がっている中孝介、2007年の中国初上陸から5年目にして、遂に中国本土で単独コンサートを敢行。今回、広州市で開催された中国初のコンサートでは、中孝介が、光良(マイケル・ワン)の大ヒットナンバー「童話」をはじめテレサ・テンや周傑倫(ジェイ・チョウ)、陳奕迅(イーソン・チャン)などの中国でもおなじみの楽曲を披露したほか、中国民謡の名曲「青蔵高原(青海チベット高原)」を中国語で熱唱し、来場者をうっとりさせました。
中孝介はインディーズから4枚のシマ唄のアルバムと1枚のポップスのミニアルバムを出した後、その歌唱力が認められ、2006年にはシングル『それぞれに』でメジャーデビュー。デビュー早々に中国での活動を始めました。同じ年の11月には、中華圏全域でアジア版アルバムを先行リリースし、台湾のYahoo!ミュージックチャートで初登場1位を獲得するという快挙を成し遂げました。また、2007年3月には、中日文化・スポーツ交流年のイベントにて、北京で初お披露目。当時、まだ本国・日本で実績を上げていなかった中孝介ですが、海外で初登場1位など鮮烈なデビューを飾るのは極めて異例だったのではないでしょうか。
中華圏全体で知名度を上げたきっかけは、2008年に台湾映画史上最高のヒットを飛ばした映画『海角七号 君想う、国境の南』。これは、台湾最南端の島を舞台に、60年の時空を超えて男女の恋を描いた純愛ストーリー。注目の若手監督、魏徳聖(ウェイ・ダーション)がメガホンを取り、台湾の人気アーティスト・范逸臣(ヴァン・ファン)と日本人女優・田中千絵がW主演した作品ですが、この映画で銀幕に初挑戦した中孝介が本人役で出演しました。また、映画の中で主題歌も担当し、自身のメジャーデビュー曲「それぞれに」を披露して話題を呼び、伸びやかな歌声とセンチメンタルなメロディーで中国の観客を魅了しました。
実は、映画『海角七号 君想う、国境の南』の公開に先駆けて、2007年7月に中孝介は、2枚目のアジア版アルバム『花間道(ユライ花)』をリリースし、台湾チャートで初登場5位を獲得。8月には、文化・スポーツ交流年の公式テーマ曲「言葉はいらない」を発表。この曲では、過去に自身のアルバムで共演した中国人女性シンガー・韓雪(ハン・シュエ)とデュエットしています。
また、アルバム『花間道(ユライ花)』に収録された「夜想曲 ~nocturne」という曲が、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した映画『ラスト、コーション』(アン・リー監督)の日本版オフィシャル・イメージソングに選ばれました。この曲は、シンガポールのシンガーソングライター・黄義達(イーダ・ホァン)が中孝介の声質に合わせて書き下ろした「あつらえの曲」として知られています。
中孝介は、今回の広州コンサートを皮切りに、今後中華圏でますます精力的に活動していくことでしょう。今後の中国での活躍に期待しましょう。(ミン・イヒョウ)
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