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広域な大気汚染、成長パターンの転換を求める声も

2013-01-16 14:27:16     cri    

 11日から中国中東部の広いエリアが深刻な大気汚染に襲われています。濃霧ともやは少しずつ消えているものの、人々の生活や心理に大きな影響がもたらされました。今回の大気汚染は、大自然が中国の環境問題に対して鳴らした警鐘だと受け止め、今後の経済成長のあり方を反省すべきだという声も聞こえています。

 大気汚染の悪化が真っ先に体に出た人は、屋外で仕事する人たちです。駐車場管理員の李さんは大きなマスクをつけて仕事にあたっていました。

 「昨日からマスクをつけました。一昨日、マスクをしないまま仕事したら、喉がやられて、吐き気がしそうになりました。気分的な影響が少しでも軽くなるかなと思って、マスクをつけました」

 北京の病院では、気候のせいで、体の不調を訴える患者がここ数日、めっきり増え、とりわけ呼吸器内科で診療を待つ人が増えています。北京市石景山病院で受診を待つ張さんの話です。

 「出かけたら呼吸が苦しくなり、冷たい空気に当たって咳が止まらない状態が3日も続いています。最初は薬を飲んで我慢していましたが、どんどんつらくなってきたので、病院に来ました」

 1月13日、河北省と北京市では大気汚染の警報が最高レベルのオレンジに引き上げられました。一方、もやの範囲がひろがっています。湖南省では88の県で濃霧が発生しており、省都・長沙の一部の地区では、視界がわずか十数メートルしかありません。 湖南省気象台は13日の朝大気汚染に赤色の警報を出し、注意を呼びかけました。

 湖北省の武漢では6日に始まった重度汚染の気候が18日まで続くだろうと予想されており、また、南の広西チワン族自治州では全域が濃霧に覆われており、珠江デルタ地区の8割の観測所で微小浮遊粒子のPM2.5が基準値以上観測されています。

 このような大規模な大気汚染が何故発生したのか。西南大学資源環境学院の謝徳体院長は、不合理なエネルギー構造とおびただしい量に達した都市部の自動車排気ガスが一番の理由だと見ています。

 「主な原因の一つは石炭を主とするエネルギー構造で、もう一つは自動車の排気ガスによるものです。もちろん、工業化や都市化で始まった大規模な工事による埃も原因の一つです。そこに大気の流れなど気象的要素が加わって、こうした天気になったと思われます」

 大規模な大気汚染を受け、各地は相次いで対策を始めています。

 北京市では、小中学校は屋外での活動を控えるよう指導しているほか、工場に汚染減少の措置を強化すること、工事現場に埃の発生を減らす、あるいは土木工事を停止するよう求める他、公務用車両の使用を率先して停止するよう呼びかけています。

 中央気象台の観測では、16日頃、西から東へ冷たい空気が流れ込み、北方の大部分のエリアでは強風が吹いて、汚染が徐々に解消されるだろうと見られています。

 一方、今回の広域での大気汚染は中国の環境問題に警鐘を鳴らしたとして、再発を防ぐために、中国は経済の成長モデルの転換を速め、グリーンな交通手段での外出を人々に呼びかけるべきだと謝徳体院長はこう訴えています。

 「今後、霧やもやの発生を減らすために、何よりも経済成長のあり方を変えなければいけない。まずは、石炭を主とするエネルギー構造の転換、次はエネルギーの消費が高く、汚染も深刻な企業に対し、技術的な改造をして、SO2やCO2などの排出を減らすこと、また自動車排気ガスへの対策を強化して、ガソリンの質を高めること。と同時に、公共交通で外出を増やすよう全国民呼びかけなければいけない」 (Yan)

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