環境保護といっても、いろんな面からの考え方があるんですね。2002年から、西湖周辺の景勝地が市民公園として無料開放されましたね。これは中国で唯一無料開放された5A級の景勝地です。また、世界遺産に生まれ変わった西湖は、6つの約束をしました。その一つは、みんなの湖として、引き続き無料開放するということです。また、西湖周辺のお寺や景勝地の入場料を値上げしないこと。杭州の博物館や記念館、科学技術館などは、引き続き市民に無料開放すること。また、西湖景勝地で不動産の営利的開発をしないこと。さらに、文物を破壊せず、公共資源を占用しないことです。
世界遺産に登録されたら、保護が厳しくなって、一般の市民生活からは遠ざかるイメージがありましたが、市民の気持ちを反映してますね。ちなみに関係部門の統計によりますと、いま、毎年、西湖を訪れる観光客は2000万人以上もいるということです。世界遺産に登録されてから、観光客はさらに増えるでしょう。自然環境や文物などの保護はいっそう重要な課題となりますね。
実は、受入れの面ではこんな対策が出されています。杭州の関係部門はこのほど、今後、毎日、西湖景勝地を訪れる観光客の数を制限すると発表しました。世界遺産の登録によって、西湖は全人類共通の財産となります。観光開発ではなく、それをよりよく守る責任と義務を担っています。世界遺産はただの公園ではなくて、自然や文化の趣が凝縮した貴重な財産ですからね。沢山の観光客が殺到すると、交通渋滞になるし、ゴミも増えるし、リスクは増えますね。さきほどの対策も、入場制限が前提で、それに影響されないように無料開放や、値上げなしといったものが出されたんですね。
何といっても、西湖は世界遺産に登録されたことは、杭州市民にとっては喜ばしいことですが、一方、新しい課題にも直面しています。都市発展と世界遺産の保護をどのようにバランスよく進めていくのか、知恵が必要です。地元住民にとって、世界遺産に選ばれたのは光栄なことですし、チャンスにもなります。観光や宿泊の収益も次第に上がることが考えられますから。でも、お金など目に見える利益より、都市のイメージアップや、自然環境の発展、目に見えない利益も忘れてはいけませんね。地上の天国と呼ばれる杭州、いっそう綺麗になってほしいです。
世界遺産の申請は営利的なビジネスではなくて、自然や文化景観に対する尊敬、保護の気持ちが重要です。登録の成功はスタートに過ぎず、これをきっかけに、美しい自然と文化景観を守っていくことがこれからの大切な使命となります。世界遺産という新しい冠をいただいた杭州の西湖、その美しい自然景色と悠久な文化風情は今後ますます、多くの人々を魅了するでしょう。(エーリン「イキイキ中国」より 07/21)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |