7月になりました。中国の大学では、7月は「お別れのシーズン」と呼ばれています。日本と違って、中国の大学は9月から新学年が始まりますので、6月は卒業の季節、7月はお別れのシーズンなのですね。卒業生たちは大学を離れて社会人となります。
中国の大学はほとんどは全寮制ですから、みんな学校の寮に泊まっています。卒業すると、寮から引っ越さなければなりません。荷造りのときは、しみじみと学生生活を思い出して、とっても懐かしかったですよ。学生から社会人になること、誰にとっても人生の中ですごく重要な一歩ですね。ワクワクもしますが、未来に対する不安もあります。特に、ここ数年、大学卒業生の就職難が続き、卒業の季節になると、卒業生の動きに注目が集まります。
「2011年中国大学生就職報告」、所謂「大学卒業生青書」がこのほど発表されました。それによりますと、卒業を迎え、社会人になったばかりの若者たち、彼らにとって、一番関心を持っているのは、やはり、就職です。昨年卒業した大学生の就職状況を見てみましょう。社会人になって初めての仕事に、不満を持っている人は、なんと6割もいるということです。
昨年の卒業生の就職状況は今年の卒業生にとって、参考になりますが、6割も最初の仕事を好ましくないというのにはちょっと驚きました。不満の理由を見てみましょう。36%の人が、「大学の専攻は今の仕事とまったく関係ないから」、「大学で習ったことは仕事に生かせないので悔しかった」などと答えています。また、22%の人は、「いまの仕事に興味がない」と答えています。ほかの理由には、「残業が多い割に手当てが少ない」とか、「賃金が希望より少ない」、「人間関係が複雑」などが挙げられます。
中国の学生は、専門分野を就職に生かそうという人が多いですよね。日本は実は中国ほどここにはあまり期待していません。就職に有利な専門とそうでない専門がありますし、むしろ違う畑に行くことを良しとさえ思う人もいます。無駄なことはしたくないという中国の学生の考えが顕著に現れていますね。
また、この「卒業生青書」によりますと、昨年の卒業生のうち、社会人になって半年間の間に、34%の人が仕事を辞めました。辞めた理由の一番は、「理想な仕事ではない」ということです。しかし、社会人になりたてで、理想の仕事がどういうものか、判断できるんでしょうかね。半年はまだまだ何も見えていない時期だと思うんですが。
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